Appleは、2022年以来更新されていない低価格帯タブレット「iPad」の新モデル、iPad 11のリリースに向けて準備を進めているとされる。

現行の第10世代iPadは、古いA14チップを搭載しているが、次期モデルではより高速で効率的なA16チップの搭載が期待されている。

さらに、Wi-Fi 6E対応やストレージ容量の増加など、ユーザーにとって魅力的なアップデートが計画されているようだ。

デザインと機能の進化

iPad 11のデザインは、2022年に大幅に刷新された第10世代iPadの流れを引き継ぐと予測されている。10.9インチのオールディスプレイとTouch ID付きの電源ボタンはそのまま維持され、外観に大きな変更はない模様だ。Appleが今回目立ったデザイン変更を行わない理由は、既存のデザインがすでに完成度が高く、特にエントリーモデルとしての役割を果たしているためと考えられる。

カラーバリエーションに関しては、新しい色の追加が期待されている。現在のiPadは、シルバー、イエロー、ピンク、ブルーといった鮮やかなカラー展開をしており、次期モデルでも同様に個性を引き出すカラーが増える可能性がある。また、USB-CポートやApple Pencil対応の継続も確認されており、基本的な使用感に大きな変化はない。これにより、デザインはそのままに、パフォーマンスや機能面での改良が進むことが期待されている。

新しいAシリーズチップ採用の可能性

iPad 11に搭載されるプロセッサは、iPhone 15に採用されているA16チップが最有力とされている。現行モデルのA14チップはiPhone 12シリーズに初搭載されたものであり、やや時代遅れの印象がある。A16チップへのアップグレードは、処理速度やバッテリー効率の向上に大きく貢献するとみられている。

一方で、AppleがiPad 11にさらに高性能なA17 ProやA18チップを搭載する可能性も否定できない。これにより、AppleのAI技術がiPadでも利用できるようになるが、そのためにはメモリの大幅な増強が必要となる。しかし、コストを抑えたモデルとしての位置づけを維持するため、現実的にはA16チップが最もバランスの取れた選択肢であると考えられる。いずれにしても、現行モデルに比べて大幅な性能向上が期待される。

コストと発売時期の見通し

価格に関しては、iPad 11の基本価格は現行モデルと同様に349ドルから始まると予測されている。Appleは最近、他のデバイスで最低ストレージ容量を増やす傾向にあり、64GBから128GBに増加する可能性がある。しかし、価格を維持したままストレージ容量を増加させるという噂はまだ確定的ではない。

発売時期については、10月のAppleイベントで発表される可能性があるとされているが、ディスプレイの出荷が10月まで開始されないという情報もあり、実際のリリースは2025年までずれ込む可能性もある。さらに、AppleはiPad 11専用の新しいMagic Keyboardアクセサリの開発を進めており、その完成を待っての発表となる可能性もある。アクセサリと本体の同時リリースが行われる場合、2025年中頃まで発売は見送られる可能性が高い。

購入アドバイス:待つべきか、今買うべきか?

現在iPadの購入を検討しているユーザーに対しては、iPad 11の発売まで待つことを推奨する。現行モデルのiPadはすでに2年前の製品であり、搭載されているA14チップはさらに古い技術である。新モデルがリリースされることで、より高速な処理能力と最新の機能を享受できるため、同じ予算内でより優れた体験を得ることができる。

また、Wi-Fi 6Eや新しいカラーオプションなど、日常の使い勝手に直接影響するアップデートも見逃せない要素だ。特に、Apple Pencilの新しいアクセサリやiPad専用のMagic Keyboardの登場が予想されており、これらがセットでリリースされる場合、製品の価値はさらに高まるだろう。よって、今すぐに購入するよりも、新モデルの発表まで待つのが賢明な選択と言える。