Lightningポートを搭載したAirPodsを使っているユーザーに朗報だ。エンジニアのケン・ピロネルが、USB-Cへのアップグレードを簡単に行えるスマートケースを発表した。このケースは、エアポッズの充電ケースに約10秒で装着でき、内部の電子回路を通じてUSB-CポートからLightningポートに電力を伝える仕組みだ。

AirPods 1からAirPods Pro 2まで対応しており、AirPods Maxにも専用のアダプターが用意されている。

エアポッズのUSB-Cアップグレードはもう難しくない

AirPodsのLightningポートをUSB-Cにアップグレードするのは、かつて手間のかかる作業であったが、現在は誰でも簡単に行えるようになっている。エンジニアのケン・ピロネルが開発したスマートケースは、AirPods 1からAirPods Pro 2までのモデルに対応し、既存のLightningポートをUSB-C対応に変換する画期的なアイテムである。ケースは耐久性に優れた3Dプリントのプラスチック製で、簡単に装着できる。

このケースの優れている点は、外部にUSB-Cポートがあり、内部の回路がLightningポートに電力を供給するため、元のAirPodsケースを損なわずにアップグレードが可能な点だ。また、取り外しも簡単で、必要に応じて元のLightningポートに直接アクセスすることもできる。AirPods Pro 2に関しては、Apple自体がUSB-C対応のケースを販売しているが、その価格は99ドルである。一方、ピロネルのケースは30〜40ドルで購入でき、コストパフォーマンスが高い。

ピロネルは以前からAppleのLightningポートに挑戦し続けており、今回のケースはその最新の成果である。ユーザーはApple純正の高額なオプションを選ぶことなく、手軽にUSB-Cへのアップグレードを実現できるようになった。

ケン・ピロネルの変換ケースの仕組み

ピロネルが開発したスマートケースの仕組みはシンプルだが非常に効果的である。ケースにはUSB-Cポートが備わっており、そこからAirPodsの充電ケースに電力が供給される。この仕組みにより、ユーザーは新たにAirPodsを買い替える必要がなく、わずかな費用でUSB-C化が実現する。

内部の回路は、外部のUSB-CポートからAirPodsの既存のLightningポートに電力を伝えるため、AirPods本体の機能や充電速度に影響を与えることはない。また、ケースは3Dプリント技術で作られており、耐久性がありながら柔軟性も持ち合わせているため、短時間で簡単に装着できる。

このケースは、特に初代AirPodsやAirPods 2、3を使っているユーザーにとって有用である。新しいAirPods 4では既にUSB-Cポートが搭載されているため、古いモデルのユーザーが同様の利便性を得るための解決策として注目されている。また、Apple純正のUSB-C対応ケースを購入する必要がないため、経済的にも大きなメリットがある。

AirPods Maxユーザーにも対応する新アダプター

AirPods MaxユーザーもUSB-C化の恩恵を受けられる。ピロネルはAirPods Max専用のUSB-Cアダプターも開発しており、このアダプターはAirPods MaxのLightningポートに直接差し込むだけで、簡単にUSB-C対応にできる。アダプターは右イヤーカップの下部に接続され、装着時も目立ちにくいデザインとなっている。

AirPods Maxは、Appleの最上位クラスのワイヤレスヘッドホンであり、純正品は依然としてLightningポートを使用している。しかし、ピロネルのアダプターを使用すれば、新たに550ドル以上を支払ってUSB-C対応モデルを購入する必要はない。このアダプターは、スマートケースほどの美しさはないものの、USB-C化のための実用的な解決策であり、外見を損なうことなく利便性を向上させる。

ピロネルはこれまでにも、iPhoneや他のApple製品でUSB-Cへの変換を行っており、その技術力は確かなものである。今回のAirPods Max用アダプターも例外ではなく、すでに多くのユーザーが高く評価している。特に、長く使い続けたいユーザーにとっては、買い替えの手間とコストを削減できる点が大きな魅力である。

Appleの独自規格への挑戦

ピロネルの一連のUSB-C化プロジェクトは、AppleのLightningポートへの挑戦といえる。Lightningポートは長らくApple製品の標準として採用されてきたが、他のデバイスが次々にUSB-Cへ移行する中で、その利便性は疑問視されるようになってきた。USB-Cは高速充電やデータ転送が可能であり、今や業界の標準となっている。

ピロネルは、2021年にiPhone XをUSB-C化するオープンソース設計を発表し、それ以来、さまざまなApple製品のUSB-C化に取り組んできた。彼の目的は単なる技術的な挑戦ではなく、ユーザーにとってより実用的で柔軟な選択肢を提供することにある。

Appleも今年、いくつかの製品にUSB-Cポートを採用したが、すべてのユーザーが最新の製品に買い替えることを期待する戦略は依然として続いている。ピロネルのプロジェクトは、そうしたAppleのビジネスモデルに対抗するものであり、多くのユーザーが自分の手で製品の寿命を延ばせるようにしている。