Apple Watchの最新モデルでは、より短時間で充電できる高速充電機能が追加された。この機能により、Apple Watchのバッテリーを効率的に充電できるが、すべてのモデルが対応しているわけではない。また、付属のケーブルや電源アダプターには特定の条件があるため、準備が必要だ。

高速充電に対応するApple Watchのモデル

Apple Watchの高速充電に対応するモデルは限られており、特定のシリーズからの機能となっている。対応モデルとしては、Apple Watch Series 7、Series 8、Series 9、Series 10、そしてApple Watch UltraおよびUltra 2が挙げられる。これらのモデルでは、バッテリーを0%から80%までわずか30分から1時間以内で充電可能であり、日常的な使用において非常に便利である。

Apple Watch Series 7からSeries 9までは、おおよそ45分で0%から80%まで充電できる仕様となっている。また、最新のSeries 10では、これが約30分に短縮されている。さらに、Apple Watch UltraとUltra 2は、約1時間で80%まで充電可能となっているが、その大容量バッテリーが理由で少し時間がかかる。

これらの高速充電対応モデルを活用すれば、朝の短い時間で十分なバッテリーを確保できるため、ユーザーにとっては非常に大きなメリットとなる。特にアクティブに使うユーザーにとって、充電時間の短縮は日々の生活をよりスムーズにする要素である。

高速充電に必要なアクセサリーと設定

Apple Watchの高速充電を行うには、専用のアクセサリーが必要である。まず、Appleはすべての高速充電対応モデルに「Apple USB-C 磁気高速充電ケーブル」を同梱している。このケーブルは従来のものと異なり、磁気チャージャーの周りがプラスチックではなくアルミ製となっている点が特徴だ。

しかし、充電に必要なのはケーブルだけではなく、適切なUSB-C対応の電源アダプターも必須となる。Appleが推奨しているアダプターは、18Wから96Wの出力を持つUSB-C電源アダプターである。これらのアダプターは、Appleから購入することも可能だが、Ankerなどのサードパーティ製品も対応しており、Amazonなどで手頃な価格で手に入れることができる。

このように、Apple Watchの高速充電には特定のケーブルとアダプターが必要であり、それを揃えることで短時間での充電が可能となる。ケーブルだけでなく、電源アダプターにも気を配ることが重要である。

環境配慮で変化した充電器の提供方式

Appleは環境への配慮から、2020年以降、iPhoneに続きApple Watchのパッケージにも電源アダプターを同梱しない方針を取っている。この変更は、電子廃棄物の削減やカーボンフットプリントの縮小を目的としたものであり、同様の対応を取る企業も増えている。

そのため、Apple Watch Series 7以降のモデルを購入した場合、高速充電に対応する電源アダプターは別途用意する必要がある。すでにiPhoneやMacなどのデバイスを持っているユーザーであれば、それらに付属していたUSB-Cアダプターを流用することも可能だ。

この方針転換により、ユーザーは自身の充電環境を見直す必要がある一方で、余分なアクセサリーを削減できるメリットもある。Appleのこのような施策は、環境意識の高い消費者にとっては好意的に受け入れられる部分であり、企業の姿勢としても評価されている。

高速充電が使用できないケースと代替手段

Apple Watchの高速充電機能は便利だが、すべての充電環境で利用できるわけではない。特に、Appleの「MagSafe Duo」や「Apple Watch 磁気充電ドック」を使っている場合、高速充電に対応していないため、従来の充電速度しか得られない。この点は注意が必要である。

しかし、こうした高速充電非対応のドックでも、純正の高速充電ケーブルと互換性のあるUSB-Cアダプターを用いれば、サードパーティ製のドックで高速充電を行うことが可能である。例えば、Belkinが提供する高速充電対応のドックや、3-in-1のワイヤレス充電スタンドなどが選択肢として挙げられる。

従来のアクセサリーを使用していても、適切な設定と組み合わせにより、高速充電を可能にする方法が存在するため、充電環境を整えることでその恩恵を最大限に活用することができる。充電アクセサリーを選ぶ際は、対応状況をしっかり確認することが重要である。