macOSとiOSは近年多くの面で共通化が進んでいるが、いまだに埋められない機能の差が存在する。特に、ロック画面のカスタマイズ、アプリアイコンの調整、コントロールセンターの柔軟性という3つの要素がMacでは欠けている。

iPhoneやiPadで先行して導入されたこれらの機能は、操作性やデザインの自由度を高める点で非常に高く評価されている。macOSにこれらの革新的なカスタマイズ機能が搭載されれば、さらに進化したユーザー体験が期待できるだろう。

iPhoneとiPadのロック画面が先行する理由とMacの課題

iOS 16以降、iPhoneやiPadではロック画面のカスタマイズが可能となり、ユーザーがフォントスタイルやウィジェットを自由に設定できるようになった。この機能は、情報への即時アクセスや視覚的な個性を強調できる点で大きな進化といえる。

一方、macOS Sonomaではロック画面のデザイン変更が加えられたものの、ウィジェットやフォントの柔軟なカスタマイズ機能は未だ実装されていない。この差は、デバイス間の利用シーンの違いが一因と考えられる。

Macは主にデスクトップでの長時間作業に適したデバイスであるため、ロック画面の個性よりも効率性が重視されてきた。しかし、現代のMacはそのモビリティやデザイン性から多様な利用者層に支持されており、スマートフォンと同様のカスタマイズ性を求める声も増えている。今後、iOSとmacOSのさらなる統合が進む中で、Appleがこうしたニーズにどう応えるかが注目される。

アプリアイコンの多様化がもたらす新たな価値

iOSやiPadOS 18で導入されたアプリアイコンのダークモード対応や色調変更機能は、ユーザーにホーム画面を好みに合わせて統一できる自由を提供している。

さらに、アプリ開発者が独自のアイコンデザインを追加できる仕組みも、個別のブランド体験を強化する重要な役割を果たしている。これに比べて、macOSではアイコンのカスタマイズは限られた範囲にとどまっており、iOSのような柔軟性はまだ実現されていない。

Macにこの機能が追加されれば、特にデザイン志向のユーザーや、ワークスペース全体の統一感を重視する層からの支持を集める可能性が高い。Appleはこれまでも細部にこだわったデザインで知られる企業であり、この点をmacOSの改良に反映する余地は十分にあると言える。ただし、アプリアイコンの変更が使用感に影響を与える可能性もあるため、ユーザー体験を損なわない形での実装が鍵となるだろう。

コントロールセンター刷新の必要性と可能性

iOS 18およびiPadOS 18では、コントロールセンターが大幅に刷新され、サードパーティアプリがトグルを追加できる仕組みが採用された。これにより、ユーザーは日常的に使用する機能を個別に設定できるようになり、利便性が飛躍的に向上した。一方、macOSのコントロールセンターは、Big Surで初導入されて以来、目立った進化を見せていない。

デスクトップ環境では多くのアプリや機能を同時に利用することが一般的であり、柔軟なカスタマイズが可能になれば作業効率の向上が期待できる。また、サードパーティアプリがシステムの一部として統合されることで、Macのエコシステム自体もさらに強化される可能性がある。9to5Macが指摘するように、これらの改良が進めば、macOSのユーザーエクスペリエンスはより多様なニーズに応えるものとなるだろう。

Source:9to5Mac