Appleが2025年後半に初の折りたたみ画面デバイスを投入する可能性が高まっています。新たなサプライチェーンレポートによると、Appleはこのデバイス向けの超薄型ガラス(UTG)の供給を中国のLens Technologyに依頼したとのことです。

Lens TechnologyはAppleのUTG注文の約70%を担う見込みで、原材料の供給元としてはCorningが有力視されています。同社は、ガラスのエッチングや強化技術に優れ、特にヒンジ部分のみを薄くする加工技術を用いることで耐久性を確保する方針です。また、韓国のDowoo InsysやUTIが第二供給元となる可能性があるとの報道もあります。

ディスプレイパネルについては、Samsung Displayが独占供給する見込みであり、Appleが折りたたみ市場にどのような影響を与えるのか注目が集まります。

Appleが採用する超薄型ガラスとは 他社との違いと技術のポイント

Appleが初の折りたたみデバイス向けに採用する超薄型ガラス(UTG)は、従来のスマートフォンのディスプレイガラスとは大きく異なります。UTGは非常に薄く加工されたガラスで、折りたたみ時の柔軟性を持ちながらも耐久性を維持することが求められます。

Appleが今回供給を確保したLens Technologyは、特にガラスのエッチングや強化プロセスにおいて高い技術力を誇り、UTGの中央部分を薄くすることでヒンジ部分の負担を軽減する手法を採用していると報じられています。

一方、SamsungのGalaxy Zシリーズなどに採用されているUTGは、Dowoo Insysが供給しており、こちらもヒンジ部分の強度を確保する独自の加工技術を用いています。しかし、Appleが求める水準の耐久性を満たすために、さらに新しい技術が必要とされる可能性があります。そのため、AppleはUTGの供給元としてLens Technologyだけでなく、Dowoo InsysやUTIの技術にも関心を寄せているとみられます。

Appleが独自に特許を取得しているUTGの設計は、耐久性を損なわずに折りたたみを可能にするものと推測されており、特にディスプレイのシームレスな操作感や折り目の目立たなさが重視されている可能性があります。他社の折りたたみデバイスと比べ、Appleがどのような違いを打ち出すのかが注目されます。


Samsung Displayが独占供給へ 折りたたみディスプレイの品質は向上するのか

Appleの折りたたみデバイスのディスプレイは、Samsung Displayが独占的に供給するとみられています。Samsungはすでに折りたたみディスプレイ市場において確固たる地位を築いており、Galaxy Zシリーズをはじめとする製品で高い品質を維持しています。そのため、Appleのデバイスにおいても同様の高品質なディスプレイ技術が採用される可能性が高いです。

Samsung DisplayはUTGの改良に積極的で、特に耐久性と視認性の向上を目指した技術開発を進めています。最近のGalaxy Zシリーズでは、折り目の目立たなさやタッチ感度の向上が顕著になっており、Apple向けにもこうした技術が応用される可能性があります。ただし、Appleは独自のディスプレイ最適化を行うことが多く、iPhoneやiPadの画面で見られるようなカラーバランスや発色の調整が行われると考えられます。

また、Samsung Displayが供給するとはいえ、Appleは最終的なディスプレイの仕様や品質基準を細かく管理することが予想されます。そのため、Galaxy Zシリーズとは異なるチューニングが施され、Appleならではの視認性や耐久性の工夫が加えられる可能性があります。これにより、従来の折りたたみデバイスとは一線を画す仕上がりとなることが期待されます。


Appleの折りたたみデバイスはどのカテゴリーに属するのか タブレットかスマートフォンか

Appleが開発中の折りたたみデバイスは、果たしてスマートフォンなのか、それともタブレットなのか明確にはされていません。市場では、iPhoneの折りたたみモデルになるのか、それともiPadの新たなフォームファクターとして登場するのかについて、さまざまな憶測が飛び交っています。

Appleはこれまで、スマートフォンとタブレットの境界を曖昧にするような製品設計を行ってきました。例えば、iPad miniは携帯性に優れたタブレットでありながら、大画面スマートフォンとしても利用できるような絶妙なサイズ感を持っています。そのため、折りたたみデバイスも同様に、タブレットの携帯性を向上させた新カテゴリーの製品として登場する可能性があります。

一方で、SamsungやGoogleはすでに折りたたみスマートフォンを市場に投入しており、Appleがこの分野に参入することも十分考えられます。特に、iPhoneの売上はAppleの主力事業であり、新たなフォームファクターを取り入れることでさらなる市場拡大を狙う可能性があります。

ただし、Appleは新技術の導入に慎重な姿勢を取ることが多く、折りたたみスマートフォンがすぐにiPhoneシリーズに加わるかどうかは未知数です。

最終的に、Appleがどのような位置付けで折りたたみデバイスを展開するのかによって、製品の用途やターゲット層が大きく変わることになります。その発表に向けて、今後のリーク情報や特許申請の動向がますます注目されるでしょう。

Source:GSMArena