iPhoneのストレージが不足すると、新しいアプリのインストールやソフトウェアアップデートができなくなることがあります。しかし、写真や動画を削除しなくても、iOSの設定を変更することでストレージを解放する方法があります。

特に、動画撮影が多い人やアプリを頻繁にダウンロードする人は、ストレージの消費が激しくなりがちです。不要なファイルを削除するのではなく、iOSに備わっている機能を活用することで、効率的にストレージを管理できます。

この記事では、iPhoneのストレージを削除なしで解放できる2つの設定について紹介します。iPhoneをより快適に使いたい人は、ぜひ試してみてください。

iCloud写真の最適化はどれくらい効果があるのか

iPhoneの「iPhoneストレージを最適化」機能は、デバイスの空き容量を増やすために有効ですが、どの程度のストレージを確保できるのか気になるところです。特に、大量の写真や動画を保存している場合、この設定を有効にすることで、数十GB単位での空き容量を生み出せる可能性があります。

例えば、iPhoneにフル解像度で保存された写真や動画が100GB分あるとします。この場合、最適化設定をオンにすると、デバイスには低解像度のサムネイルが残るだけになるため、実際の使用容量は数GB程度まで減少します。一方、iCloud上にはフル解像度のデータがそのまま保存されており、必要なときにダウンロードできます。

ただし、iCloudのストレージ容量にも注意が必要です。無料プランでは5GBしか利用できないため、大量の写真や動画を保存したい場合は、有料プランへのアップグレードが必要になります。50GB、200GB、2TBのプランがあり、価格は地域によって異なります。

また、この機能を活用すると、デバイス内のストレージ消費は減るものの、写真を開く際にインターネット接続が必要になることがあります。特に、モバイルデータ通信を利用している場合、大量の写真や動画を開くと通信量が増加する点には注意が必要です。このため、Wi-Fi環境での利用が推奨されます。


アプリのオフロードと完全削除はどう違うのか

iPhoneのストレージ管理機能の一つとして、「アプリのオフロード」があります。これは、アプリ本体のみを削除し、データや設定をそのまま保持する機能です。一方、通常のアンインストール(完全削除)は、アプリとその関連データをすべて消去するという違いがあります。

例えば、ゲームアプリをオフロードした場合、アプリ本体は削除されますが、セーブデータや設定情報は保持されるため、再インストール後にすぐ続きからプレイできます。これは、特に容量の大きなゲームや一時的に使用しないアプリに適した方法です。一方、完全削除を行うと、アプリ本体だけでなく、ゲームの進行データや設定情報も消去されるため、再インストール後は最初からやり直す必要があります。

オフロードのメリットは、ストレージの確保とアプリの再利用のしやすさにあります。例えば、大型アップデートのインストール時に一時的にストレージを確保したい場合、不要なアプリをオフロードすることで数GB単位の空きを作ることが可能です。特に、サイズの大きいアプリ(動画編集ソフトや3Dゲームなど)をオフロードすることで、大幅なストレージ節約が期待できます。

一方、完全削除を選ぶべきケースもあります。例えば、不要なアプリが大量にある場合、オフロードではなく完全削除することで、ストレージの管理がよりシンプルになります。また、一部のアプリはキャッシュデータを大量に保持しているため、完全削除して再インストールすることで、ストレージの無駄遣いを防ぐことができます。


ストレージ不足を防ぐための追加対策

iPhoneのストレージを効率的に管理するには、写真やアプリの最適化だけでなく、日常的なメンテナンスが重要です。特に、ストレージ不足の通知を頻繁に受ける場合、追加の対策を講じることで、より快適にデバイスを使用できます。

まず、不要なメッセージや添付ファイルの削除が有効です。iMessageやLINEなどのメッセージアプリには、写真や動画、PDFなどのファイルが蓄積されがちです。特に、長期間使っている場合、これらのデータが数GB以上を占めることもあります。「設定」→「メッセージ」から「古いメッセージを自動削除」をオンにすることで、一定期間経過したメッセージを自動的に削除し、ストレージの節約につなげられます。

次に、Safariのキャッシュをクリアするのも効果的です。ウェブブラウジングを続けていると、キャッシュやクッキーが蓄積し、数GB単位でストレージを消費することがあります。「設定」→「Safari」→「履歴とWebサイトデータを消去」を選択することで、不要なデータを削除し、ストレージの使用量を抑えることができます。

また、クラウドストレージの活用も重要です。iCloud以外にも、Google Drive、Dropbox、OneDriveなどのクラウドサービスを利用することで、大容量のデータをオンラインに保存し、iPhoneのストレージを圧迫しないようにできます。特に、大量の書類や動画を扱う人にとって、クラウドの利用はストレージ管理の鍵となります。

このように、iPhoneのストレージ不足を防ぐためには、日常的なメンテナンスとクラウドストレージの活用が欠かせません。写真やアプリの管理と組み合わせることで、よりスムーズなデバイスの運用が可能になります。

Source:CNET