Appleが次世代iPhone 17 Proシリーズでフレーム素材をアルミニウムに変更する可能性があると報じられています。この情報はサプライチェーンアナリストJeff Pu氏によるもので、環境負荷の低減が主な理由とされています。

iPhone 15 Proシリーズではステンレススチールからチタンへと素材が変更されましたが、チタンは製造過程でのエネルギー消費が多いことが課題でした。そのため、Appleの2030年カーボンニュートラル目標の達成に向けて、アルミニウムが再び選ばれたと考えられます。

また、iPhone 17シリーズのうち「iPhone 17 Air」は、チタンとアルミのハイブリッドフレームを採用する可能性があるとのこと。Appleが今後どのようにデバイスの設計を進めるのか、注目が集まっています。

Appleがチタンを採用した理由とその課題とは

AppleはiPhone 15 Proシリーズでチタンフレームを採用しましたが、それには明確な理由がありました。まず、ステンレススチールと比較して約40%の軽量化を実現し、持ちやすさを向上させました。また、チタンは強度が高く、耐久性のある素材として知られており、落下や衝撃に対する耐性が向上したとされています。さらに、Appleはチタン特有のマットな仕上げを施し、指紋が付きにくいデザインを実現しました。

しかし、チタンにはいくつかの課題も存在します。最大の問題は製造コストの高さです。チタンは加工が難しく、アルミニウムやステンレススチールよりも高価な素材のため、コスト増につながります。

また、チタンは硬度が高い反面、しなやかさに欠けるため、スマートフォンのような薄型デバイスに適した設計が求められます。この影響で、一部のユーザーからはiPhone 15 Proのフレームに小さなへこみができやすいとの報告もありました。

さらに、Appleが掲げるカーボンニュートラルの目標ともチタンの使用は矛盾する部分がありました。チタンの精錬プロセスはエネルギー消費量が多く、環境負荷が高いとされているため、Appleが持続可能な製品設計を推し進める中で問題視された可能性があります。こうした背景を考慮すると、iPhone 17 Proシリーズでアルミニウムに戻す決断は、コスト削減や環境対策という面で合理的な選択といえるかもしれません。


アルミニウムフレームのメリットと耐久性の懸念

AppleがiPhone 17 Proシリーズでアルミニウムフレームに回帰する可能性があるという情報が出ていますが、それにはいくつかのメリットが考えられます。最大の利点は、チタンよりも軽量でコストが抑えられることです。アルミニウムはスマートフォンのフレーム素材として長年採用されてきた実績があり、軽量かつ加工しやすいため、製造工程の簡素化や生産コストの低減につながると考えられます。

また、アルミニウムはリサイクルが容易で、環境負荷が低いという点も重要です。AppleはこれまでにもMacBookやiPadにリサイクルアルミニウムを使用してきました。iPhone 17 Proでアルミフレームを採用すれば、Appleのカーボンニュートラル戦略に適合しやすくなるでしょう。

しかし、アルミニウムにはデメリットもあります。まず、強度の面でチタンやステンレススチールに劣ることが指摘されています。

過去のiPhoneでは、アルミ製フレームが曲がりやすいといった問題が発生したこともあり、Appleがどのように耐久性を向上させるのかが注目されます。特に、Proモデルはハイエンドユーザー向けであるため、耐久性を犠牲にしてまで軽量化を優先することに疑問を抱く人もいるかもしれません。

さらに、アルミニウムは表面が柔らかいため、チタンと比較すると傷やへこみが目立ちやすくなる可能性があります。AppleがiPhone 17 Proでどのような加工技術を採用し、耐久性を確保するのかが重要なポイントになりそうです。


Androidメーカーの今後の動きとAppleの影響力

AppleがiPhone 15 Proシリーズでチタンを採用した際、SamsungやXiaomiといったAndroidメーカーもすぐにチタンフレームのスマートフォンを発表しました。特にSamsungはGalaxy S24 Ultraにチタンフレームを導入し、S25 Ultraでも継続する見込みとされています。しかし、Appleが再びアルミニウムに回帰した場合、これらのメーカーがどう動くかが注目されます。

Androidスマートフォン市場では、Appleのデザインや素材選びがトレンドを作ることが少なくありません。

例えば、iPhoneからイヤホンジャックがなくなった際には、多くのAndroidメーカーも同様の決断をしました。また、ノッチデザインやダイナミックアイランドのような視覚的な変更も、時間をかけてAndroid側に広がっていきました。このように、Appleの決定が業界全体に影響を与える可能性は高いと考えられます。

一方で、SamsungやXiaomiはすでにチタン採用を前提とした設計を進めているため、すぐにアルミニウムへ回帰するとは限りません。特に、Samsungはフラッグシップモデルでの差別化要素としてチタンフレームを維持する可能性があります。これは、AppleがiPhone 17 Proシリーズでアルミニウムに戻す場合、Samsungが「チタンの方が優れている」といったマーケティング戦略を展開する可能性があるからです。

また、シャオミや他のメーカーはAppleの動向を見ながら、通常版はアルミ、上位モデルはチタンといった棲み分けを行うかもしれません。Appleの決定がAndroid市場にどのような影響を及ぼすのか、今後の展開が気になるところです。

Source:Android Authority