Appleが次世代スマートフォン「iPhone 17」シリーズにおいて、新たに独自開発のWi-Fiチップを搭載する計画であることが明らかになりました。ただし、「iPhone 17 Air」は対象外とされ、特定のモデルのみがこの技術の恩恵を受けることになります。これはAppleがワイヤレス通信技術の独自化を進める第一歩となり、今後の製品ラインナップにも影響を与える可能性があります。

Appleは長年、Wi-Fi関連の技術をBroadcomなどの外部企業に依存してきました。しかし、iPhone 17シリーズの発表に向けて初めて自社設計のWi-Fiチップを導入することで、外部メーカーへの依存を減らし、より最適化されたパフォーマンスを実現しようとしています。

専門家の予測では、このWi-FiチップはWi-Fi 7に対応する可能性が高いとされており、従来のWi-Fi環境よりも高速かつ安定した通信が期待されます。一方で、iPhone 17 Airにこの新技術が搭載されない理由は明らかにされておらず、特定モデルのみが対象となる背景には、コストや市場戦略が関係している可能性があります。

Appleは既にiPhone 16e向けに独自の5Gモデム「C1」を開発しており、ワイヤレス通信技術の独自化を加速させています。

しかし、このC1モデムは「mmWave（ミリ波）」に対応していないため、ハイエンドモデルへの採用は見送られる見込みです。一方、次世代の**「C2」モデムが開発中である**とも報じられており、将来的にApple独自の5G技術が広範囲に採用される可能性もあります。Appleのワイヤレス技術独立の動きが今後どのように展開していくのか、注目が集まります。

Appleが独自Wi-Fiチップを開発する背景とは　これまでの流れを整理

Appleはこれまで、Wi-FiチップをBroadcomやQualcommといった外部企業から供給を受けていました。しかし、iPhone 17シリーズの一部モデルに独自のWi-Fiチップを搭載する計画が浮上し、Appleがワイヤレス技術の内製化に踏み出したことが明らかになっています。この動きは突然のものではなく、Appleが長年進めてきた独自チップ開発の流れに沿ったものだと考えられます。

Appleのチップ開発の取り組みは、2008年のP.A. Semiの買収から始まりました。これにより、Aシリーズチップの開発が加速し、2010年には初の独自設計プロセッサ「A4」がiPhone 4に搭載されました。

その後、Mac向けのM1チップや、iPad、Apple Watch向けの独自チップも登場し、Appleはデバイスごとに最適なシリコン設計を進めています。この中で、ワイヤレス通信技術の内製化は最後のピースともいえる部分であり、今回のWi-Fiチップの開発はその一環と考えられます。

さらに、AppleはQualcommへの依存を減らすために独自の5Gモデム開発にも取り組んでいます。iPhone 16eに搭載されるC1モデムはその最初の成果であり、次世代のC2モデムもすでにテストが進められています。

今回のWi-Fiチップ開発と併せて、Appleが目指しているのは「完全なワイヤレス技術の自社開発」です。もしこの取り組みが成功すれば、Apple製品はより高いレベルでハードウェアとソフトウェアの統合が進み、パフォーマンスや電力効率が向上することが期待されます。

Wi-Fi 7への対応はあるのか　iPhone 17シリーズの通信性能に注目

Appleの新しいWi-FiチップがiPhone 17シリーズに採用されることで、ユーザーにとっての最大の関心事は「通信性能がどの程度向上するのか」という点でしょう。Wi-Fi技術の進化は近年目覚ましく、最新規格のWi-Fi 7では、これまでのWi-Fi 6Eと比較して通信速度の向上、遅延の低減、多数のデバイス接続時の安定性強化など、さまざまなメリットが期待されています。

MacRumorsの報道では、iPhone 16シリーズの全モデルがWi-Fi 7に対応するとされており、Apple独自のWi-FiチップもWi-Fi 7に準拠する可能性が高いと見られています。

Wi-Fi 7では最大40Gbpsの通信速度が理論上可能となり、ストリーミングやクラウドゲームの遅延が大幅に削減されることが期待されます。また、複数の周波数帯を同時に使用する「Multi-Link Operation（MLO）」が実装されることで、通信の安定性も向上すると考えられます。

ただし、今回のWi-Fiチップは「iPhone 17 Air」には搭載されない可能性が指摘されています。これは、Appleが開発するWi-Fiチップがまだすべてのデバイスに対応できる段階ではないことを示しているのかもしれません。

Appleは過去にも新技術を一部のモデルで先行導入し、後に全モデルへ拡大する戦略を取ってきました。したがって、iPhone 17シリーズの一部モデルでまずは独自Wi-Fiチップを採用し、安定した動作が確認されれば、次世代モデル以降で全モデルに搭載される可能性が考えられます。

Appleのワイヤレス技術独立がもたらす未来　今後の展開を予測

AppleがWi-Fiチップを独自開発し、ワイヤレス通信の内製化を進めることで、将来的にはさらなるハードウェアとソフトウェアの統合が進むと予測されます。これまで、iPhoneの通信技術は外部企業の技術に依存していたため、Appleの設計哲学と完全に一致しない部分もありました。しかし、Wi-Fiチップや5Gモデムを内製することで、ハードウェアとOSの連携をより最適化できるようになります。

特に期待されるのは、省電力化の強化です。Appleのチップ設計は、性能向上と同時にエネルギー効率の最適化に優れており、Mシリーズチップではその成果が顕著に表れています。独自Wi-Fiチップの採用により、iPhoneのバッテリー持続時間が延びる可能性があり、特に長時間のオンライン作業や動画視聴、ゲームプレイにおいてメリットを感じるユーザーが増えるかもしれません。

また、将来的にAppleのワイヤレス技術が他の製品へも波及する可能性があります。例えば、MacやiPad、Apple Watch、さらにはVision Proといったデバイスに独自Wi-Fiチップが搭載されることで、Apple製品間の通信がよりスムーズになり、エコシステム全体の一体感が高まるでしょう。

さらに、Appleが独自の5Gモデム開発を進めている点を考えると、iPhone 18以降では5G通信も完全にApple独自のものとなり、QualcommやBroadcomといった外部企業からの技術依存が大幅に減る可能性があります。

Appleはこれまで、新技術の導入に慎重な姿勢を取ることが多く、Wi-Fiチップの完全な内製化にはまだ時間がかかるかもしれません。しかし、着実に独自開発を進めることで、数年後にはAppleが設計したワイヤレス技術がiPhoneやその他のデバイスに標準搭載される未来が現実になるかもしれません。

Source：Wccftech