Appleは、2015年および2016年に発売されたMacの9モデルを新たに「オブソリート(サポート終了)」リストに追加した。これにより、これらのモデルに対するAppleの公式サポートは終了し、修理やパーツの提供も行われなくなる。さらに、3つのMacモデルが「ビンテージ」として再分類され、今後のサポートも段階的に終了する見込みである。

サポート終了リストに加わった9つのMacモデルとは?

Appleは、2015年および2016年に発売された9つのMacモデルを新たに「オブソリート(サポート終了)」リストに追加した。これにより、これらのデバイスは公式な修理や部品の供給を受けられなくなる。リストに含まれるのは、「MacBook (Retina, 12-inch, Early 2016)」や「MacBook Pro (13-inch, 2016, 2 Thunderbolt 3 Ports)」などで、特に2016年に初めてTouch Barを搭載したMacBook Proも含まれている。

このサポート終了により、ユーザーは今後の故障時にApple公式のサポートを受けられないため、サードパーティの修理サービスに頼るか、新しいデバイスへの乗り換えを検討せざるを得ない状況にある。さらに、これらのモデルはすべてIntelプロセッサを搭載しており、Appleが自社製のMシリーズチップへ移行したことにより、旧型モデルの需要やサポートが次第に減少している。

これらの変化は、Appleがハードウェアの進化に伴い、古いデバイスのサポートを段階的に終了させる方針の一環であり、今後もこの傾向は続くと予想される。

ビンテージとオブソリートの違い

Appleの製品サポートには、「ビンテージ」と「オブソリート」という二つのカテゴリーが存在する。ビンテージ製品は、販売終了から5年以上7年未満の製品を指し、この期間中はAppleのサービスプロバイダーであれば一部修理を受け付けることが可能である。しかし、部品が入手困難な場合、修理はできないことがある。ビンテージ製品のユーザーにとって、この期間は修理可能な猶予期間ともいえる。

一方、オブソリート製品は販売終了から7年以上が経過したものであり、Appleおよび認定サービスプロバイダーによる修理対応は完全に終了する。オブソリートに分類されたデバイスは、公式の修理を一切受けられないため、故障した際には修理できるサードパーティを探すか、新しいデバイスへの買い替えが必要となる。

この区分は、Appleのハードウェアとソフトウェアの進化のスピードに合わせたものといえる。特に、Apple Siliconチップを搭載した新型Macの登場により、旧型のIntel搭載モデルのサポート終了は加速している。

M1やM2チップ搭載Macへの移行を検討する理由

AppleがIntelチップ搭載のMacをオブソリートとする中、M1やM2チップを搭載したMacへの移行を検討することは多くのユーザーにとって賢明な選択となる。Apple Siliconチップは、パフォーマンスの向上と消費電力の削減を両立しており、旧型のIntel搭載モデルと比較して、明確な優位性を持っている。特に、動画編集やグラフィックデザインなどの高負荷作業においては、Mシリーズチップの優れた処理能力が際立つ。

また、Mシリーズチップを搭載したMacは、最新のmacOSとの互換性が高く、将来的なアップデートにも柔軟に対応できるため、長期的な視点での投資としても有利である。Intel搭載モデルは、今後のソフトウェアサポートの終了が予想されるため、最新のアプリケーションや機能にアクセスできなくなるリスクがある。

したがって、オブソリート製品に分類された旧型Macを使用しているユーザーは、修理やアップグレードのコストを考慮し、M1やM2チップ搭載の新型Macへの移行を検討することが推奨される。

修理を検討しているユーザーへのアドバイス

オブソリート製品リストに追加されたMacモデルを所有しているユーザーは、今後の修理やサポートについて慎重に計画する必要がある。Appleが公式サポートを終了するため、公式の修理サービスは受けられなくなり、部品も入手困難となる。そのため、早急に修理が必要な場合は、まだビンテージとして分類されているうちに修理を依頼するか、信頼できるサードパーティの修理業者を探すことが重要である。

一部の修理業者では、旧型Mac向けの部品を在庫として保持している場合があるが、これも在庫が尽きると修理が不可能になるリスクがある。また、修理コストが新しいデバイスの購入に近い場合、新型Macへの乗り換えを検討することも一つの選択肢である。

特に、ビジネス用途で使用しているユーザーや、パフォーマンスを必要とする作業を行っている場合、修理よりも新型Macへの移行がコストパフォーマンス的に優れている場合が多い。サポート終了が近づいているデバイスを使用しているユーザーは、早めの対応が求められる。