iPhone 16 Pro MaxはDxOMarkの最新カメラテストにおいて、中国製Androidフラッグシップ機に遅れを取っていることが明らかになった。特に、テレフォトカメラ性能では詳細なディテールの保持に課題があり、ポートレート撮影では目や肌の質感が劣るという指摘がある。一方で、動画撮影やダイナミックレンジ、色の再現性など、他の領域では高い評価を得ている。

iPhone 16 Pro Maxの新たなカメラテスト結果

2024年10月、DxOMarkはiPhone 16 Pro Maxのカメラ性能に関する新たなテスト結果を公開した。Appleの最新フラッグシップモデルであるiPhone 16 Pro Maxは、以前のモデルよりもテレフォトカメラ性能が向上したものの、中国製Androidフラッグシップ機と比較するとその差が顕著であった。今回のテストでは特に、ポートレート撮影におけるディテールの欠如が目立ち、細部の表現力で劣る点が浮き彫りとなっている。

DxOMarkは、テレフォトカメラの焦点距離に応じたディテールの保存性をグラフで示しており、iPhone 16 Pro Maxが中国製機種に比べて一部の焦点距離では劣ることが確認された。特に、焦点距離80mmから160mmの範囲では比較的良好なパフォーマンスを示すものの、他の範囲では明らかに性能が低下している。このため、全体的な評価では、カメラ性能において中国製Android機種の優位性が示された。

また、iPhone 16 Pro Maxは前モデルよりもテレフォト性能が強化されたが、他の分野での高い評価とは異なり、テレフォトカメラだけが弱点となっている。

テレフォト性能で中国製フラッグシップ機に劣る

DxOMarkのテストでは、iPhone 16 Pro Maxのテレフォトカメラが中国製Androidフラッグシップ機に対して劣っていることが示された。特に、Vivo X100 ProやHuawei Pura 70 Ultra、Xiaomi 14 Ultraと比較した場合、その違いは明確である。これらの中国製機種は、より詳細なテレフォトショットを提供しており、特に焦点距離の広い範囲でディテールの保存力に優れている。

DxOMarkのグラフによると、iPhone 16 Pro Maxは焦点距離が80mmから160mmの間では競合と同程度の性能を発揮しているが、それ以外の焦点距離では明らかに性能が落ちている。また、ポートレートショットにおいても、中国製機種のほうが目や肌の質感が優れており、特にディテール表現に関してはiPhoneが追いつけていない。

この結果は、iPhoneの強みである他のカメラ機能に影響を与えるものではないが、テレフォトカメラにおける競争力の低さはユーザーにとって大きな失望をもたらすかもしれない。

ポートレート撮影でのディテール不足が指摘

DxOMarkのテストにおいて、iPhone 16 Pro Maxのポートレート撮影におけるディテール不足が大きな課題として浮上している。特に、目や肌のディテールが中国製Androidフラッグシップ機に比べて劣っており、ユーザーにとって写真のクオリティに満足できない可能性がある。これは、iPhoneが従来から持つ「自然な表現」を重視するアプローチが原因であり、過度なスキンの滑らかさを避けるためだ。

一方で、中国製のAndroid機は、人工的に肌を滑らかにするフィルターを積極的に採用しており、より好まれる結果を生み出している。これにより、ポートレート写真におけるディテールの表現力がiPhoneよりも優れているという印象を与えている。特に目の細かいディテールや肌の質感は、中国製機種のほうが鮮明であり、ポートレートショット全体の見栄えが向上している。

この違いは、ユーザーの好みによるものではあるが、ポートレート写真を重視する層にとっては、iPhone 16 Pro Maxの選択肢が中国製機種に比べて魅力を欠く原因となるだろう。

全体的な性能評価:他の強みも明確に

iPhone 16 Pro Maxは、テレフォトカメラ性能で中国製フラッグシップ機に劣るという結果になったが、全体的なカメラ性能においては依然として優れた点が多い。DxOMarkの評価によれば、ビデオ撮影モード、ズーム範囲全体にわたるダイナミックレンジ、色の再現性、手ブレ補正、オートフォーカスなどは非常に優秀であり、この分野での競合他社を凌駕している。

特に、動画撮影においては、iPhone 16 Pro Maxは業界でもトップクラスの性能を誇り、安定した手ブレ補正と自然な色合いが高く評価されている。また、ズーム操作においても、全体のダイナミックレンジが広く、明暗の差を自然に処理できることが強みである。

このように、テレフォトカメラ以外の領域ではiPhone 16 Pro Maxは依然として強力なデバイスであり、総合的なカメラ体験では他の機種を圧倒する要素が多い。ただし、カメラ全体のバランスを考慮すると、テレフォト性能が弱点となっていることは否めない。