Huaweiが中国スマートフォン市場で首位を奪還した。2024年第4四半期には市場シェア18.1%を記録し、前年比15.5%の成長を遂げた。成功を支えたのは、ミドルレンジのNova 13シリーズとハイエンドのMate 70シリーズの人気だ。一方でAppleは17.1%のシェアを維持しながらも、売上が18.2%減少するという厳しい結果となった。
米国の禁輸措置で困難に直面していたHuaweiだが、独自チップセットの開発と新たなサプライチェーンの構築により復活を遂げた。これが中国の消費者から大きな支持を集め、国家の力の象徴と見なされている。2024年の中国市場は年間で1.5%成長しており、2025年も引き続き成長が予想される中、競争の行方が注目される。
Huaweiが復活を遂げた要因とは
Huaweiが中国スマートフォン市場で首位に返り咲いた背景には、製品戦略と技術力の両輪がある。同社が成功を収めたNova 13シリーズは、コストパフォーマンスに優れたミドルレンジモデルとして消費者から高く評価されている。
一方、Mate 70シリーズはハイエンドユーザーを魅了する先進的な性能を備えており、特にカメラ機能や独自チップセットが注目を集めた。この二本柱の戦略が幅広い層のニーズを的確に捉えたことが、市場シェア拡大につながった。
さらに、Huaweiの復活を支えたのは技術的自立の取り組みである。同社は米国の禁輸措置により、従来依存していた海外のサプライチェーンから切り離された。しかしこれを逆手に取り、自社開発のKirinチップセットや、中国国内でのサプライチェーン構築に注力した。
この動きは単なる生産体制の変化にとどまらず、中国の消費者に「国産技術の象徴」として映り、愛国的な支持を集める結果となった。こうした要因が複合的に絡み合い、Huaweiの復活を実現させたのである。
Appleが中国市場で直面する課題
対照的に、Appleは中国市場で苦戦を強いられている。2024年第4四半期には市場シェア17.1%を維持したものの、売上が18.2%減少する結果となった。その原因の一つとして指摘されているのが、iPhoneシリーズの価格設定だ。米ドル高の影響や製品自体の高価格化が、中国の消費者の購買意欲を低下させた可能性がある。また、iPhone 15シリーズにおける目新しさの不足も、市場での競争力を削ぐ要因となった。
さらに、Huaweiをはじめとする中国ブランドが進化を遂げたことで、Appleはこれまで独占していたハイエンド市場でも圧力を受けている。特にHuaweiのMate 70シリーズは、性能と価格の両面でiPhoneに匹敵する魅力を提供しており、これがAppleにとって強力な競合となっている。今後、Appleが市場シェアを回復するには、製品の差別化や地域特化型の戦略が鍵を握ると考えられる。
中国スマートフォン市場の行方
中国スマートフォン市場全体は、2024年の年間成長率が1.5%と小幅ながらも成長を記録した。しかし第4四半期では前年比3.2%の減少が見られ、成長の鈍化が顕著となっている。この現象は、世界経済の不安定さや消費者の買い控えが影響している可能性がある。一方で、Counterpointの予測によれば、2025年も市場は成長を続けると見られているが、そのペースはさらに緩やかになる見込みである。
注目すべきは、HuaweiやXiaomiなどの中国ブランドが市場を主導する中で、Appleがどのように競争力を維持するかという点だ。また、新技術やデザインの革新が市場全体の成長を牽引する可能性もあり、特に折りたたみスマートフォンやAI搭載モデルの動向が注目される。消費者の多様なニーズを満たしつつ、技術と価格のバランスを取ることが、今後の市場競争の鍵となるだろう。
Source:Gizmochina