Appleは2024年第4四半期のタブレット市場で38.6%のシェアを獲得し、圧倒的な存在感を示しました。M4 iPad Proは有機ELディスプレイを採用し、超薄型デザインを特徴としていたものの、市場の成長には大きく貢献しなかったと報じられています。
しかし、iPad Airやエントリーモデルの売上が牽引し、出荷台数は前年同期の1480万台から1690万台へと増加。ライバルであるサムスンは同期間で700万台の出荷にとどまり、市場シェア17%とAppleに大きく差をつけられています。
M4 iPad Proが市場成長に貢献しなかった理由とは
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M4 iPad Proは、Appleが投入した最新のタブレットであり、極薄のデザインと鮮やかなOLEDディスプレイが特徴です。しかし、市場全体の15%成長には寄与しなかったと報じられています。その理由の一つとして、iPad Proのターゲット層が限られていることが挙げられます。高価格帯のプロ向けモデルであるため、需要が特定の層に集中し、大きな販売増にはつながりにくかった可能性があります。
また、AppleはiPad Proの差別化要素としてM4チップを搭載しましたが、日常的な用途においてはM2やM1チップのモデルでも十分な性能を発揮します。このため、多くのユーザーは買い替えを急がず、iPad Airやエントリーモデルに需要が流れた可能性があります。特にiPad Airは、価格と性能のバランスが取れたモデルとして幅広い層に受け入れられました。
さらに、iPadOSの制限も影響したと考えられます。M4チップの性能を最大限に引き出せるアプリケーションが少なく、MacBookシリーズとの差別化が難しい状況です。これにより、高性能なM4搭載モデルに魅力を感じるユーザーが限定的だったことが、市場成長に貢献しなかった要因といえます。
Appleの市場支配が続く中、競合メーカーの戦略は
Appleがタブレット市場で38.6%のシェアを維持している一方、競合メーカーもシェア拡大を狙っています。サムスンはGalaxy Tabシリーズを展開し、特にSシリーズでは有機ELディスプレイやSペン対応によるクリエイター向けの強化を図っています。しかし、出荷台数は700万台にとどまり、Appleとの差は大きい状況です。
他のメーカーでは、Lenovoが低価格帯のタブレットを中心に展開し、特にAndroid市場でのシェアを拡大しています。また、HuaweiやXiaomiも独自のOSやハードウェアの強化を進めていますが、Googleのサービスが利用できない地域があることが課題となっています。これにより、グローバル市場でAppleに対抗できる企業は限られているのが現状です。
一方で、競合メーカーが取り組んでいる差別化戦略には注目すべき点もあります。例えば、サムスンは折りたたみタブレットの開発を進めており、新たなフォームファクターを提案しようとしています。Appleが現行のiPadシリーズに固執する中で、折りたたみデバイスが市場にどのような影響を与えるかが今後の焦点となるでしょう。
次世代iPadに期待される進化とは
AppleはすでにM5チップの量産を開始していると報じられており、今後のiPadシリーズにどのような進化がもたらされるのか注目が集まっています。特に、OLEDディスプレイのさらなる改良や、iPadOSの強化によるMacとの差別化が求められるでしょう。
また、iPadシリーズのラインナップの見直しも考えられます。iPad Proが高価格帯で伸び悩む一方、iPad Airや無印iPadの売れ行きが好調であることから、Appleが今後どのモデルに重点を置くのかがポイントとなります。もしM5チップがiPad Airにも搭載されれば、より多くのユーザーが最新のプロセッサを手にする機会が増えるでしょう。
さらに、アクセサリーの進化も重要な要素です。Apple PencilやMagic Keyboardの改良によって、iPadの用途が広がる可能性があります。特に、より高度なクリエイティブ作業に対応できる環境が整えば、プロフェッショナル向けの需要も高まるかもしれません。今後のAppleの動向が、タブレット市場の未来を大きく左右することになりそうです。
Source:Wccftech