Apple Watch Series 10が登場し、前モデルのSeries 9と比べてどのような変化があるのかが注目されています。最大の特徴は、画面サイズの拡大と本体の薄型・軽量化です。小さいモデルは42mm、大きいモデルは46mmにサイズアップし、厚みも10%削減されました。また、アルミニウムモデルには新色「ジェットブラック」が追加され、プレミアムモデルの素材はステンレススチールからチタンに変更されています。

新たな機能として、睡眠時無呼吸症候群の検出機能が搭載され、水温センサーや深度計アプリも追加されました。一方で、バッテリー持続時間は従来と変わらず18時間のままで、ここに大きな改善はありません。ただし、充電速度は向上し、30分で80%まで充電可能となっています。

全体的に、デザインの刷新と細かな機能追加が見られるものの、前モデルからの劇的な進化とは言えません。大画面化や薄型デザインに魅力を感じるかが、Series 10を選ぶポイントになりそうです。

Apple Watch Series 10の新デザインがもたらす変化

Apple Watch Series 10は、画面サイズが42mmと46mmに拡大され、従来モデルよりも10%薄型化されました。Appleはこれを「新しいデザイン」として打ち出していますが、見た目は過去のモデルと大きく変わらず、バンドの互換性も維持されています。

そのため、既存のApple Watchユーザーにとっては、劇的な進化と感じにくいかもしれません。しかし、薄型化によって装着感が向上し、より手首にフィットしやすくなっています。

特に、チタンモデルの導入はデザイン面での大きなポイントです。従来のステンレススチールよりも軽量で耐久性が高く、スポーツやアウトドアでの使用にも適しています。一方で、ステンレスの光沢感を好むユーザーにとっては、少し質感が異なる点が気になるかもしれません。

また、新色のジェットブラックは、従来のミッドナイトと異なり、より深みのある黒色となっており、Apple製品のブラックカラーを好むユーザーには魅力的な選択肢となりそうです。

しかし、薄型化によって内部スペースが制限された影響か、バッテリー容量の増加は見送られました。バッテリー持続時間は従来と同じ18時間ですが、充電速度の向上により、短時間での充電が可能になっています。この点をどう捉えるかによって、Series 10の評価は分かれるかもしれません。

S10チップと新機能がもたらす使い勝手の向上

Apple Watch Series 10には、新たにS10 SiP(System in Package)が搭載されました。このチップは、従来のS9チップと比べてAI処理が強化され、Siriの応答速度が向上しているとされています。

特に、デバイス単体での音声認識機能が改善され、インターネット接続がなくても一部の操作が可能になっています。これは、特に屋外やネットワークが不安定な環境でApple Watchを利用する際に利便性を感じられるポイントです。

また、新機能として、水温センサーと深度計アプリが搭載されました。これにより、スイミング時に自動的に水温を記録し、海やプールでのアクティビティをより詳細に追跡できます。ただし、Apple Watch Ultraと異なり、Series 10は最大6メートルの耐水性能しかないため、本格的なダイビング用途には向いていません。

睡眠時無呼吸症候群の検出機能も新たに追加されましたが、この機能は加速度センサーを利用して呼吸の乱れを検出する仕組みとなっています。血中酸素測定機能を用いたより正確な計測ではないため、どこまでの精度が期待できるかは未知数です。AppleがMasimo社との特許訴訟の影響で血中酸素測定を制限している可能性もあるため、今後のアップデートや新モデルでの改善が期待される部分かもしれません。

Apple Watch Series 10は買い替えに値するのか

Apple Watch Series 10は、画面サイズの拡大、軽量化、新チップの搭載、新機能の追加など、着実な進化を遂げています。しかし、基本的な使用感やバッテリー持続時間は大きく変わっていないため、既にSeries 9やSeries 8を使用している人にとっては、買い替えの決め手がやや弱いかもしれません。

特に、バッテリー持続時間が18時間のままである点は、多くのユーザーにとって残念なポイントです。充電速度が向上したとはいえ、毎日充電が必要な点は従来モデルと変わらず、長時間の使用を求める人にとっては、まだ物足りなさが残ります。一方で、画面サイズが大きくなったことで視認性が向上し、特に通知やヘルスデータの確認がしやすくなったことは大きなメリットといえます。

Series 10の魅力は、主に「大画面」「薄型・軽量化」「新機能」にあります。特に、ジェットブラックやチタンモデルに惹かれる人、睡眠時無呼吸症候群の検出機能や水温センサーを活用したい人にとっては、買い替えを検討する価値があるかもしれません。一方で、Series 9やSeries 8を使用しており、特に不満がない人にとっては、必ずしも急いで買い替える必要はないでしょう。

Source:PhoneArena