Appleが開発を進めている独自5Gモデム「C1」は、iPhone 16eやiPhone 17 Airに搭載されると見られているが、iPhone 17シリーズの大半はMediaTek製の5Gモデムを採用する可能性があると報じられている。これまでQualcomm製のSnapdragon 5Gモデムを使用してきたAppleが、MediaTekへとシフトすることで、通信性能やコスト面にどのような影響が出るのか注目される。
Appleは2026年に自社開発のC1モデムを全iPhoneモデルに搭載する計画を進めており、2027年にはQualcommのモデムを完全に置き換える可能性が高いとされている。新モデムはミリ波対応や高速通信技術の進化が期待されており、iPhoneの通信性能が大きく変化する転換点となるかもしれない。
さらにAppleは、独自モデムとAシリーズプロセッサの統合を目指しており、将来的にはより高速かつ省電力な通信を実現することを視野に入れている。iPhone 17シリーズ以降の通信環境の変化に、多くの関心が集まりそうだ。
iPhone 17シリーズの5Gモデム選択がもたらす通信品質の変化

iPhone 17シリーズの多くのモデルがMediaTek製の5Gモデムを採用する可能性が指摘されている。これまでAppleは長年にわたりQualcommのSnapdragon 5Gモデムを使用してきたが、新たな選択によって通信品質にどのような影響が出るのかが注目される。
MediaTekはスマートフォン向けのチップセット市場においてQualcommに次ぐ大手メーカーであり、Dimensityシリーズをはじめとする高性能モデムを開発してきた。
特にMediaTekの5Gモデムは、サブ6GHz帯域において優れた通信性能を発揮する一方で、ミリ波(mmWave)対応に関してはQualcommほどの実績がない。AppleのiPhone 17シリーズがMediaTek製のモデムを採用することで、ミリ波通信の対応状況が変化する可能性もある。
一方で、iPhone 17 AirにはAppleが独自開発したC1 5Gモデムが搭載されると予測されている。このモデムはミリ波通信に対応していないため、iPhone 17 Airは高速通信の恩恵を受けにくいという点が懸念される。しかし、実際の使用環境ではミリ波通信の利用シーンは限定的であり、多くのユーザーにとって大きな影響はないかもしれない。
それよりも、AppleがMediaTekのモデムを選択した背景には、今後の自社モデム開発へ向けた布石があるのではないかと考えられる。
AppleがMediaTekを採用する背景と今後の展開
AppleがiPhone 17シリーズにMediaTekの5Gモデムを採用する可能性が高いとされる背景には、独自のモデム技術開発を進めるための戦略があると考えられる。AppleはこれまでQualcommのモデムを使用してきたが、特許ライセンス料の負担や技術的依存から脱却し、自社設計のモデムチップを開発することを目指している。
これまでの情報によると、Appleは2026年にC1 5Gモデムの第2世代をiPhone 18シリーズに搭載し、2027年にはQualcomm製のモデムを完全に置き換える計画を進めている。新しいC1モデムは、ミリ波対応や6Gbpsを超える通信速度、キャリアアグリゲーションの強化など、既存のQualcommモデムを超える性能を持つことが期待されている。
また、AppleがMediaTekを選択することは、独自モデムの開発を進めるうえでの一時的な措置である可能性もある。Qualcommからの完全な移行をスムーズに進めるために、まずはMediaTekのモデムを採用し、その後Apple独自のモデムへと移行するという流れが考えられる。これにより、Appleは自社技術の成熟を待ちながら、次世代の通信技術を確立するための準備を進めることができる。
iPhoneの通信性能とユーザー体験への影響
iPhone 17シリーズの5Gモデム変更は、ユーザーの通信体験にどのような影響を与えるのかも重要なポイントだ。現在のiPhoneユーザーにとって、Qualcommの5Gモデムは安定した通信品質を提供することで知られているが、MediaTek製モデムに変更することで、通信速度や接続の安定性に変化が生じる可能性がある。
特に、MediaTekのモデムはミリ波通信の性能に関してはQualcommに及ばないとされており、5Gの中でも最速の通信速度を求めるユーザーにとっては懸念材料となるかもしれない。
しかし、多くの地域ではミリ波通信の普及が進んでおらず、実際の使用環境においてはSub-6GHz帯域の性能がより重要視される。MediaTekの5Gモデムがこの帯域で十分な通信性能を発揮するのであれば、多くのユーザーにとって大きな問題にはならないだろう。
また、Appleは今後、自社モデム技術の開発を加速させることが予測されるため、iPhone 18以降では、より最適化された通信環境が実現される可能性がある。Qualcommからの完全な独立に向けて、Appleがどのように通信技術を進化させていくのか、今後の展開に注目が集まる。
Source:PhoneArena