Adobe PhotoshopがついにiPhoneに対応しました。これまでiPad向けに提供されていましたが、スマートフォンでも本格的な画像編集が可能になりました。さらに、Android版も今年後半にリリース予定で、すでにベータ版の通知登録が始まっています。

iPhone版は無料でダウンロードでき、一部の機能を無料で利用できますが、より高度な編集を行うには新設された「モバイル&ウェブ」プラン(月額$7.99 / 年額$69.99)への加入が必要です。このプランでは削除ツールやオブジェクト選択ツール、コンテンツに応じた塗りつぶし機能などが追加され、ウェブ版とも同期可能です。

iPhone版Photoshopで無料でも使える強力な編集機能

iPhone版のPhotoshopは無料でダウンロードでき、基本的な編集ツールが利用可能です。たとえば、画像の合成やブレンド、レイヤーの管理といった機能が含まれており、プロ仕様のツールをスマートフォンで活用できます。また、直感的な「タップ選択」機能を使えば、特定のオブジェクトを簡単に切り取ったり、再配色したりできるため、デスクトップ版に近い作業が可能です。

さらに、スポット修復ブラシを使えば、不要な要素を簡単に消去できるため、ちょっとした写真の修正にも役立ちます。また、Adobeのクラウドと連携しており、Lightroomの写真をそのままPhotoshopで編集したり、PSDファイルをAdobe ExpressやAdobe Frescoへ転送したりすることも可能です。これにより、モバイル環境でもシームレスに作業ができます。

一方、無料版では一部の高度な編集ツールが制限されており、本格的なレタッチや商業利用向けの機能を使うには有料プランの加入が必要です。しかし、無料でもレイヤーを無制限に使えたり、非破壊編集ができたりする点は魅力的で、手軽にデザインを楽しみたい人にとって十分な機能が揃っています。

「モバイル&ウェブ」プランで利用できるプレミアム機能とは

より高度な編集を行う場合は、月額$7.99(年額$69.99)の「モバイル&ウェブ」プランに加入することで、追加のプレミアム機能が利用できます。

このプランでは、不要なオブジェクトを簡単に除去できる「削除ツール」や、画像の一部を複製して加工できる「クローンスタンプ」などが使用可能になります。これらのツールを活用すれば、写真の不要な部分を違和感なく補正したり、背景を整理したりする作業がよりスムーズになります。

また、コンテンツに応じた塗りつぶし機能により、写真の特定の領域を周囲の背景になじませることができます。オブジェクト選択ツールを使えば、人物や動物、車などをワンタップで識別できるため、マスキング作業が格段に楽になります。さらに、マジックワンド機能を活用することで、特定の領域だけを素早く選択し、精密な編集が可能です。

このプランのもう一つの利点は、ウェブ版のPhotoshopと連携できることです。クラウド同期により、PCやタブレットで行った作業をそのままスマートフォンで続行できるため、外出先でも編集を中断せずに済みます。さらに、ウェブ版ではカメラRAWフィルターや生成AI機能が利用でき、スマートフォンで撮影した画像をより高度に仕上げることが可能になります。

iPhone版Photoshopの登場で変わるモバイル編集の未来

これまで本格的な画像編集はデスクトップ環境が中心でしたが、iPhone版Photoshopの登場により、スマートフォンでもプロレベルの編集が可能になりました。

すでにiPad版がリリースされていましたが、スマートフォン向けに最適化された操作性が加わったことで、さらに手軽にクリエイティブな作業ができるようになります。特に、AIを活用した編集ツールが搭載されたことで、従来の手作業よりも短時間でクオリティの高い仕上がりを実現できる点は大きな魅力です。

また、スマートフォンのカメラ性能が年々向上していることもあり、撮影から編集までのワークフローがスムーズになります。例えば、Adobe Lightroomで撮影した写真をその場でPhotoshopに取り込み、不要な部分を削除したり、色補正を加えたりすることが可能です。これにより、SNSへの投稿や商業利用のコンテンツ制作がより効率的になると考えられます。

一方で、高度な機能をフル活用するには有料プランが必要なため、どこまで投資するかはユーザー次第です。ただし、無料でも基本的な編集機能が充実しており、手軽にPhotoshopの強力なツールを試せる点は、多くの人にとって魅力的でしょう。Android版のリリースも控えており、今後さらに多くのユーザーがスマートフォンでの本格的な画像編集を楽しめるようになりそうです。

Source:GSMArena