AppleはiOS 18.4のパブリックベータ2をリリースし、新たな機能と改良を加えました。特に注目されるのは、ビジュアルインテリジェンス機能の拡張です。これまでiPhone 16シリーズ専用だったこの機能が、iPhone 15 Proでも利用可能になり、カメラを使わずに情報検索ができるようになりました。
また、新しい絵文字の追加やApple Vision Pro向けアプリの登場、ショートカットアプリの機能強化など、多くの変更が含まれています。コントロールセンターにも「Siriと話す」やビジュアルインテリジェンスの専用ボタンが追加され、より直感的な操作が可能になりました。
さらに、AppleマップのEVルート案内の強化やAIを活用したカスタム優先通知機能の導入など、日常で便利に使えるアップデートが盛り込まれています。正式リリースは4月初旬を予定しており、今後の追加ベータ版でさらなる改善が期待されます。
ビジュアルインテリジェンスの進化 iPhone 15 Proでも活用可能に
AppleがiOS 18.4パブリックベータ2で導入した最大の変更点の一つは、ビジュアルインテリジェンスの拡張です。これまでiPhone 16シリーズ限定とされていたこの機能が、iPhone 15 Proでも利用可能になりました。ユーザーはカメラコントロールを使わずに、目の前の物体や風景を認識し、関連情報を瞬時に取得できるようになります。
この機能を活用することで、例えば旅行先で見知らぬ建造物を撮影せずとも、その詳細を調べることができます。料理の写真を撮らずにレシピを検索したり、文字を直接スキャンせずに読み取ることも可能です。操作の手間を減らし、よりスムーズに情報を得る手段として、ビジュアルインテリジェンスの適用範囲が広がっています。
一方で、すべてのiPhone 15 Proユーザーがこの機能をすぐに使えるわけではありません。設定からアクションボタンのカスタマイズが必要となり、ユーザーごとの使い勝手に違いが出る可能性があります。また、旧型のiPhoneでどこまで性能が発揮されるかも気になる点です。今後の正式版リリースに向けて、さらなる最適化が進められることが期待されます。
進化するSiriとショートカットアプリ Apple Intelligenceの布石か
iOS 18.4パブリックベータ2では、ショートカットアプリの新しいアクションが追加され、Siriのさらなる強化が示唆されています。コントロールセンターにも「Siriと話す」ボタンが新設され、従来よりも素早くSiriを呼び出せるようになりました。これにより、ハンズフリー操作がより快適になり、日常の利便性が向上します。
特に注目されるのは、ショートカットアプリとの連携強化です。これまでのSiriは、簡単なタスクの実行には対応していましたが、細かいカスタマイズには限界がありました。しかし、今回のアップデートで追加されたアクションを利用することで、ユーザーごとに最適化された自動化が可能になります。例えば、特定のアプリを開いた際にSiriが特定の指示を出すといった高度な操作ができるようになるかもしれません。
これらの変更は、Appleが今後展開するとされる「Apple Intelligence」への布石とも考えられます。AIを活用した新機能が、正式リリースの際にどこまで拡張されるのかが注目されます。とはいえ、現時点ではベータ版のため、安定性や実用性については今後の評価を待つ必要がありそうです。
EVルート案内の強化とカスタム優先通知 日常の使い勝手が向上
Appleマップに新たに追加されたEVルート案内の改善も、今回のアップデートで注目すべきポイントです。iOS 18.4パブリックベータ2では、EV充電ステーションのサポートが強化され、最適なルート選択がよりスムーズになりました。充電スポットの混雑状況や、対応する車種情報の精度向上も期待されています。
加えて、AIを活用した「カスタム優先通知」機能も新たに導入されました。これにより、ユーザーは特定のアプリを優先通知リストに追加したり、逆に除外することができます。例えば、仕事中はビジネスアプリの通知のみを受け取るように設定したり、ゲームやSNSの通知を制限することで、より集中できる環境を作ることが可能になります。
このような日常的な使い勝手の向上は、iOSの進化を実感できる部分といえます。ただし、カスタム優先通知の精度がどこまで向上するか、どの程度のアプリと連携できるのかについては、引き続き検証が必要です。AppleのAI技術がどこまで実用的に活用されるか、正式版での改善に期待が高まります。
Source：Dataconomy