iPad Air M3のベンチマークスコアが公開され、前世代と比較して明確な性能向上が確認されました。Geekbenchのデータによると、M3搭載iPad Airはシングルコア3,099、マルチコア11,815を記録し、M2モデルより約20%向上しています。

しかし、M4チップを搭載した最新のiPad Proには依然として及ばず、Proのスコアはシングルコア3,634、マルチコア14,407とさらに高性能です。特にディスプレイの違いが大きく、iPad ProはOLEDと120HzのProMotionに対応しているのに対し、iPad Airは従来のLiquid Retina LCDで60Hzに制限されています。

価格差は約400ドルあり、性能差とディスプレイの違いが追加投資に見合うかが購入時の大きな判断材料となりそうです。次世代のM5搭載モデルが登場する可能性も指摘されており、今後の展開にも注目が集まります。

iPad Air M3の性能は本当に進化したのか ベンチマークスコアで検証

iPad Air M3のベンチマーク結果を見ると、M2モデルと比較して明確な性能向上が見られます。Geekbenchのスコアでは、M3 iPad Airのシングルコアスコアは最大3,099、マルチコアスコアは11,815を記録しました。M2搭載モデルのスコアがそれぞれ2,583と9,787であったことを考えると、おおむねAppleの主張通り約20%の向上が確認できます。

ただし、ベンチマークスコアはあくまで理論上のパフォーマンスを示す指標であり、実際の使用感に直結するとは限りません。ブラウジングや動画視聴といった日常的な操作においては、M2 iPad Airとの差を実感する場面は少ないでしょう。一方で、動画編集や3Dレンダリングといった高負荷な作業では、M3チップの恩恵を受ける可能性があります。

また、iPad Pro M4と比較すると、M3搭載のiPad Airは明確に劣る結果となりました。M4 iPad Proのシングルコアスコアは3,634、マルチコアスコアは14,407と、M3 iPad Airをさらに20%ほど上回っています。この差は、特にプロ向けの作業では無視できない要素になりそうです。

iPad Air M3とiPad Pro M4の違いは性能だけではない

性能面でM4 iPad Proが優位であることは明白ですが、両モデルの違いはチップ性能だけではありません。特に、ディスプレイ技術の差は大きく、iPad Pro M4はOLEDパネルを採用し、120HzのProMotionに対応しています。これにより、映像の滑らかさや発色の美しさが向上し、映画鑑賞やゲームプレイに最適なデバイスとなっています。

一方、iPad Air M3は従来と同じLiquid Retina LCDを採用し、リフレッシュレートも60Hzにとどまっています。これでも十分に美しい表示ではありますが、特に動きの速い映像やスクロール操作においては、iPad Proとの違いを感じる場面があるかもしれません。また、OLEDパネルの採用により、iPad Proはより薄型・軽量化されており、持ち運びのしやすさも向上しています。

価格差を考えると、このディスプレイの違いがどれほど重要かはユーザー次第です。動画編集やデザイン用途で高精細な表示が求められる場合はiPad Proが適していますが、一般的な用途ではiPad Air M3でも十分に満足できるでしょう。

価格差400ドルの価値はあるのか 購入時に考慮すべきポイント

iPad Air M3とiPad Pro M4の価格差は約400ドル（日本では約5〜6万円）ですが、この差が実際の使用にどれほど影響するかは慎重に考える必要があります。性能面ではM3チップでも十分な向上を遂げており、日常的な使用では違いを感じにくい場面も多いです。しかし、ディスプレイの滑らかさや発色、さらに本体の軽量化といった要素まで考慮すると、iPad Pro M4の価値は無視できません。

特に、Apple Pencilを活用したいユーザーにとっては、iPad Proの120Hz ProMotion対応ディスプレイが重要なポイントになるでしょう。描画のレスポンスが向上するため、デジタルイラストや手書きメモを多用する人にとっては、大きなメリットとなります。一方で、動画視聴や軽めの作業が中心なら、コストパフォーマンスの高いiPad Air M3が最適な選択肢と言えます。

また、iPad Pro M4は今後数年間にわたって最新のiPadとしての地位を維持する可能性が高いですが、すでにM5チップ搭載モデルの登場が噂されています。長期的に考えるなら、現在のM4モデルを購入するよりも、次世代モデルの動向を待つのも選択肢の一つかもしれません。

Source：Tom’s Guide