45年以上前に誕生した名作ゲーム『スペースインベーダー』が、Apple Watch風のデザインを持つ新しいクローンウォッチとして蘇った。この「My Play Watch」は、レトロなゲーム体験と基本的な健康管理機能を兼ね備えており、Kickstarterでの資金調達が進行中である。スマートウォッチ市場に挑む製品ではなく、懐かしさを求めるファン向けに作られたユニークなデバイスだ。

Apple Watch風デザインで懐かしさを再現

My Play Watchは一見するとApple Watchに酷似しており、1.86インチのタッチスクリーンディスプレイを搭載している。しかし、その厚みはシリーズ10よりも少しあり、ウルトラ2ほどはないがやや重厚な印象を与える。レトロなデザインが特徴的で、スペースインベーダーのテーマに合わせた2種類のバンドが付属しており、22mmの標準バンドとの互換性もあるため、ユーザーは自由にカスタマイズできる。

外観だけでなく、ウォッチフェイスにもスペースインベーダーのピクセルグラフィックや、当時のアーケードゲームの音が取り入れられており、ゲームの世界観を忠実に再現している。また、この時計はただのレトロなファッションアイテムではなく、基本的な健康管理機能も備えている。心拍数モニターや歩数計、消費カロリー計算機能があり、日常的な健康状態の把握が可能だ。

Apple Watchのようなスタイリッシュさを求めるユーザーだけでなく、レトロゲームファンにとっても魅力的なデザインがこの製品の特徴である。見た目だけではなく、懐かしさを楽しみながら、日常生活でも使えるユニークな時計となっている。

スペースインベーダーのゲームプレイと基本的な健康管理機能

My Play Watchの最大の特徴は、手首でレトロゲームを楽しめることにある。特にスペースインベーダーのカスタム版がインストールされており、タッチスクリーンやクラウンダイヤルを使ってゲームを操作することができる。この時計でのゲームプレイは、昔ながらのアーケードゲームの操作感を再現しており、懐かしいファンにとっては非常に魅力的な要素となっている。

加えて、My Play Watchは健康管理機能も備えており、心拍数の計測や歩数計機能、消費カロリーの計算が可能だ。これにより、日々の健康状態を把握しつつ、ちょっとした空き時間にゲームを楽しむことができるという、ユニークなライフスタイルを提案している。なお、これらのデータはウォッチ内に保存され、スマートフォンとの同期は行わないため、健康データを手軽に確認できるが、スマートウォッチほどの高機能は持ち合わせていない。

スペースインベーダーのレトロなゲームプレイと基本的な健康管理機能の両方を兼ね備えたMy Play Watchは、ゲーム愛好者やノスタルジックなガジェットを求める層にとって、非常に魅力的なデバイスと言える。

スマートウォッチとの違い:通知機能や連携の欠如

My Play Watchは、見た目や機能においてスマートウォッチを思わせるが、その実、機能面では大きな違いがある。まず、スマートフォンとの連携がないため、メッセージや電話、メールの通知を受け取ることはできない。また、スマホを紛失した際に探す機能や、音楽のコントロールなど、現代のスマートウォッチが提供する便利な機能は一切搭載されていない。

健康管理に関しても、My Play Watchが収集するデータはすべて時計内に保存される。そのため、専用アプリを通じて詳細な分析を行うことや、他のデバイスとデータを共有することは不可能である。これにより、ウォッチ単体での使用に限られる点が、スマートウォッチとの大きな違いとなる。

こうした制約があるため、My Play Watchはスマートウォッチの代替品としてではなく、あくまでレトロゲーム体験を手首で楽しむためのデバイスとして位置付けられている。通知機能や連携を必要としないユーザーにとっては、シンプルでユニークな選択肢となるだろう。

クラウドファンディングのリスクと期待

My Play Watchは現在、Kickstarterでクラウドファンディングを通じて資金調達を行っている。早期サポーターは、キャンペーン開始後48時間以内であれば60米ドルでこの時計を手に入れることができ、その後は75米ドルに価格が上がる仕組みだ。黄色と赤のモデルが選べ、ブルーバージョンも用意されている。

ただし、クラウドファンディングにはリスクが伴うことは否めない。開発段階では、特に電子機器プロジェクトにおいて、予定通りの生産が行われず、出荷が遅れるケースが多い。My Play Watchも例外ではなく、独自のオペレーティングシステムの開発がまだ進行中であり、12月出荷予定がずれ込む可能性があるとされている。

これにより、プロジェクトが成功するか否かは不透明だが、スペースインベーダーファンやレトロゲーム愛好者にとっては、このユニークな時計が完成することへの期待は大きい。クラウドファンディングに参加する際は、そのリスクと期待を天秤にかけた上での判断が求められる。