AppleはiPad miniの新型「A17 Pro」を突然発表した。このモデルは、最新プロセッサを搭載しながらも、外観はiPad Airの小型版を踏襲している。一方、iPad Air M2はプロユースに迫る性能を持ちながら、より大きなサイズで作業向きの仕様だ。

この2つのiPadは一見似ているが、実際の用途や性能には大きな違いがある。

デザインとディスプレイ:携帯性か視認性か

iPad mini A17 ProとiPad Air M2は、デザインにおいて一見すると非常に似ているが、実際の使用感には大きな違いがある。iPad miniは8.3インチのコンパクトなディスプレイを搭載しており、片手で操作できるサイズ感が特徴だ。このサイズは、バッグやポケットに簡単に収納できるため、携帯性を重視するユーザーにとって理想的である。

一方、iPad Air M2は11インチと13インチの2種類のディスプレイサイズを提供しており、より広い作業領域を求めるユーザーに対応している。特に13インチモデルは、プロフェッショナル向けのアプリケーションに適しており、作業やエンターテインメントにおいて視認性が高い。

両モデルともLCDディスプレイを採用しており、60Hzのリフレッシュレートである。これにより、滑らかな表示が実現されているが、Proモデルの120Hzには及ばない。また、どちらのモデルもApple Pencilの使用が可能で、ミニマムなデザインながらも高い生産性を実現する。

パフォーマンス比較:A17 Pro対M2の実力

iPad mini A17 Proは、Appleの最新の3nmプロセスで製造されたA17 Proチップを搭載している。このプロセッサは、iPhone 15 Proにも搭載されており、優れた性能を誇る。特に、ハードウェアアクセラレートによるレイトレーシング機能やニューラルエンジンの強化により、グラフィックス処理やAI関連のタスクにおいて高いパフォーマンスを発揮する。

一方、iPad Air M2は、AppleのM2チップを搭載しており、より高い処理能力を提供する。このチップは、プロフェッショナルな作業に対応するために設計されており、複数のアプリケーションを同時に実行してもスムーズに動作する。特に、クリエイティブな作業や大規模なデータ処理において、そのパフォーマンスが際立つ。

A17 ProとM2はどちらも優れた性能を持つが、M2はより大きなディスプレイと併せて、作業に最適化されたデバイスであると言える。一方、iPad mini A17 Proは、持ち運びやすさと性能を兼ね備えたバランスの取れたモデルである。

カメラとアクセサリーの対応状況

iPad mini A17 ProとiPad Air M2は、どちらも12MPのフロントカメラとリアカメラを搭載しており、日常的な写真撮影やビデオ通話に十分な性能を提供している。特にフロントカメラには、超広角レンズが搭載されており、複数人のビデオ会議でも自動的にカメラが追尾する「センターステージ」機能が使える。

ただし、iPad Air M2はフロントカメラの位置が横向きに設置されており、ビデオ会議時により自然なアングルを提供する。一方で、iPad mini A17 Proは、縦向きのままでの使用が基本となる。

アクセサリーに関しては、iPad miniは公式のキーボードアクセサリーが用意されていないが、iPad Air M2は「マジックキーボード」に対応している。ただし、iPad Air M2が対応しているのは初代のマジックキーボードであり、ファンクションキーは搭載されていない。それでも外付けキーボードやApple Pencilとの併用により、より多様な使い方が可能である。

バッテリー持続時間と使用シーン別の選び方

バッテリー性能は、iPad mini A17 ProとiPad Air M2の大きな違いの一つである。iPad mini A17 Proは、5,078mAhのバッテリーを搭載しており、ウェブ閲覧やビデオ視聴で最大10時間の使用が可能だ。このサイズのタブレットとしては十分なバッテリー持続時間を誇っている。

一方、iPad Air M2は11インチモデルと13インチモデルでバッテリー容量が異なるが、どちらもより大きなバッテリーを搭載しており、特に13インチモデルでは、より長時間の使用が可能である。ウェブ閲覧では14時間以上、YouTubeストリーミングでも7時間以上持続する。

用途に応じた選び方として、iPad mini A17 Proは携帯性を重視するユーザー向けで、軽量でどこでも手軽に持ち運べる点が強みである。一方、iPad Air M2は、よりプロフェッショナルな作業や長時間の使用を求めるユーザーに最適な選択肢であり、特に13インチモデルはノートパソコンの代替としても十分な性能を提供する。