2024年のiPadラインナップには、最新のM4チップを搭載したiPad Proをはじめ、M2チップを搭載したiPad Airや、A17 Proを搭載するiPad mini 7が登場した。これにより、Appleのタブレットは性能面でさらに進化を遂げたが、どのモデルが自分にとって最適かを選ぶのは容易ではない。

この記事では、性能、ディスプレイ、デザイン、価格などの観点から、iPad Pro、Air、mini 7を徹底比較し、それぞれの特長を解説していく。

性能差:M4、M2、A17の違いとは?

2024年のiPadラインナップでは、搭載されるチップによって大きな性能差が生じている。最上位モデルであるiPad Proには、最新のM4チップが搭載され、CPU性能が50%向上し、GPUは4倍の処理能力を持つ。さらに、メモリ帯域も100GB/sから120GB/sへと強化されており、動画編集やグラフィックデザインなどプロフェッショナル向けの作業に最適である。

一方、iPad AirにはM2チップが搭載されており、一般的な作業には十分な処理能力を備えているが、M4と比較するとGPUやメモリ帯域で劣る。日常的な使用には十分だが、高度なグラフィック処理を必要とする場合には物足りないかもしれない。また、iPad mini 7にはA17 Proチップが搭載され、iPhone 15 Proと同様の性能を持ちながら、コンパクトなサイズで持ち運びに適している。

A14チップを搭載するiPad 10は、価格を抑えたエントリーモデルとして、軽い作業や学生向けには十分だが、最新モデルと比較すると性能面でやや劣る。

ディスプレイ技術:OLEDとLiquid Retinaの比較

ディスプレイ技術においても、iPad Proと他のモデルでは大きな差がある。iPad Proには、新たにTandem OLEDディスプレイが採用され、「Ultra Retina XDR Display」と呼ばれる高精細な画面を実現している。このOLED技術は、明るいハイライトや深い黒、影の中の細部まで鮮明に表示でき、特にHDRコンテンツの再生でその威力を発揮する。

iPad Air、iPad 10、iPad mini 7では、Liquid Retinaディスプレイが採用されている。これはLED技術を基にしたもので、OLEDと比較すると明るさや黒の表現力で劣るものの、十分に鮮明な映像を提供している。特に、iPad mini 7は326ppiという高解像度を誇り、小型ながら非常に緻密な表示が可能である。

また、iPad Proのディスプレイは最大1000ニットの輝度を持ち、非常に明るい映像を提供するのに対し、他のモデルは500ニット程度の明るさに留まっている。

デザインと携帯性:サイズと重さの選び方

iPad Proは、Appleが「最も薄い製品」と称する5.1mmの厚さを誇り、特に13インチモデルは大画面ながらも1.28ポンドという軽量設計である。一方、11インチモデルはさらに軽量で、約1ポンドに収まっている。この薄さと軽さが、iPad Proのデザイン面での大きな魅力である。

一方で、iPad Airはやや厚みがあるものの、それでも十分に薄く、9.74インチと12.9インチの2つのサイズが用意されている。軽量さではiPad mini 7が最も優れており、わずか0.65ポンドと、片手でも簡単に持ち運べる。このため、携帯性を重視するユーザーにとっては、iPad mini 7が最適な選択肢となる。

また、iPad 10は他のモデルと比較してやや厚みがあり、重量も約1.05ポンドであるが、それでも日常の持ち運びには十分軽量である。携帯性を求めるか、より大画面の視覚体験を優先するかで選択肢が分かれるところだ。

価格と価値:どのモデルが最適か?

価格においては、iPad Proが最も高価であり、特に1TBや2TBのストレージを選択すると、その価格は2000ドルを超える。Proモデルは性能とディスプレイ技術が非常に優れているため、プロフェッショナルな作業を行うユーザーにはその価値があるが、一般ユーザーには過剰なスペックとなる可能性がある。

iPad Airは、Proモデルの多くの機能を持ちながら、価格が抑えられているため、性能とコストのバランスを考えると最もコストパフォーマンスが高い。日常の作業や軽いクリエイティブ作業には十分な性能を持つ。

iPad mini 7は小型タブレットとしては高価であるが、そのコンパクトなサイズと高性能なA17チップは、特に持ち運びを重視するユーザーにとって価値が高い。iPad 10はさらに安価で、軽作業や学生向けに適しているが、最新技術を求めるユーザーには物足りないかもしれない。