Appleは最新のiOS 18.2パブリックベータで、ユーザーが自由にカスタム絵文字を生成できる機能「Genmoji」を一部公開した。この新機能は、プロンプトに基づいてAIが独自の絵文字を生成する仕組みで、例として「スーツ姿のナマケモノ」と入力すれば、それに応じた絵文字が作成される。GenmojiはWWDC 2024で発表されて以来多くの注目を集め、正式リリースは12月初旬と見込まれている。

Genmojiは、iPhoneやiPadの最新モデルに対応し、特にA17 ProチップやAppleシリコン搭載デバイスで使用可能。また、MessagesやStickersなどAppleのコミュニケーションツールでも活用できる。現在は米国英語のみ対応だが、2025年までに多言語サポートが進む予定である。

Genmojiで広がるコミュニケーションの可能性

Genmojiは、Appleの最新のAI技術を活用した機能であり、ユーザーが自由に絵文字を生成できる新しい手法を提供する。これまでの絵文字は固定された選択肢から選ぶ形だったが、Genmojiではユーザーの入力内容に基づき、独自のカスタム絵文字が生成される。

たとえば「パンダを背景にしたリラックスした猫」というプロンプトを入力すれば、そのシーンに合わせた絵文字が作成され、コミュニケーションの幅を大きく広げる。

さらに、GenmojiはApple独自のメッセージアプリ「Messages」のTapbacksやStickers機能でも利用可能であり、会話の中で感情や状況をより具体的に表現する手段となる。Appleは、こうした表現力を向上させる技術に力を注いでおり、ユーザー同士の対話がより豊かになることが期待される。

Genmojiの導入は、文字だけでは伝わりづらいニュアンスや感情を絵文字で補完する新しい時代のコミュニケーションの形を示しているといえる。

Apple Intelligenceが可能にするデバイス間のシームレスな絵文字体験

Genmojiを支えるApple Intelligenceは、ユーザー体験を根本から変える革新的な技術であり、特にiPhone 15 ProやiPad mini(A17 Proチップ搭載)といった最新デバイスで利用可能である。この機能は、iPhone、iPad、さらに今後のmacOS Sequoiaでのサポートも予定されており、Appleエコシステム全体でのシームレスな絵文字利用を実現する。

Apple Intelligenceは、AI技術とデバイス間のデータ連携を強化することで、iPhoneで作成したGenmojiをiPadで即座にアクセスできるなどの利便性を提供する。テクノロジー専門メディアであるTechCrunchも、Genmojiによるこの統合体験がApple製品間の操作性をさらに高める可能性を指摘している。

Appleは今後もデバイス間のシームレスな体験を重視し、ユーザーがどのデバイスでも途切れることなく創造的な表現を続けられる環境を追求しているようだ。

2025年までに多言語対応が進むAppleのグローバル戦略

GenmojiとApple Intelligenceは現在米国英語にのみ対応しているが、Appleは2025年までに複数の言語での対応を計画している。オーストラリア、カナダ、英国など英語圏をはじめ、フランス語やドイツ語、さらには日本語にも対応する予定である。この多言語対応は、Appleのグローバル戦略の一環と考えられ、地域ごとに異なるニーズに応じて、ユーザーがよりパーソナルな絵文字を利用できる環境が整うと期待される。

Appleは、中国や一部のEU地域における規制にも対応を模索しており、各国の規制や文化に沿った形での機能提供を進めている。Appleのこうした多言語対応は、単に言語の壁を超えるだけでなく、より多くのユーザーにAI技術による表現力の向上を提供し、世界中でAppleブランドのファン層を拡大させる施策といえるだろう。