AppleのVision Pro向けゲームライブラリに、プレミアムなミックスドリアリティゲームが新たに加わる。都市建設ゲーム「Little Cities: Diorama」とタワーディフェンスゲーム「Gears & Goo」が、それぞれ12月と1月にApple Arcadeでリリースされる予定だ。この2作品は、VRスタジオによって特別に開発され、ジェスチャーコントロールや独自のUIにより、視覚的な臨場感と直感的な操作性を実現している。

Purple YonderとNear Lightスタジオが開発した「Little Cities: Diorama」は、プレイヤーがジェスチャーで都市の設計を楽しめる設計となっており、視覚的なバイオームやサンドボックス要素も搭載している。対して、Resolution Gamesの「Gears & Goo」は、リソース収集や戦略的防衛構築が魅力で、戦闘中に呪文を使うことで戦況を左右することが可能だ。

Apple Vision Proでの都市建設の新体験「Little Cities: Diorama」

Apple Vision Pro向けに登場する「Little Cities: Diorama」は、従来の都市建設シミュレーションを一歩先に進め、ミックスドリアリティでの新たな体験を提供する。Purple YonderがNear Lightスタジオと共に開発したこのゲームは、ジェスチャー操作と専用のバブルポッピングUIを採用し、プレイヤーは実際に手で操作するように道路を敷設し、家を建設し、ランドマークを設置できる。

さらに、従来のVR体験にはないバイオームが視覚的な楽しみを増し、サンドボックスの自由度も加わることで、都市づくりの醍醐味が倍増する。

視覚と触覚に訴えるこの仕組みは、没入感を高めるだけでなく、プレイヤーがより直感的に自分の街を構築することを可能にしている。Meta QuestやPlayStation VR 2用の旧バージョンに対し、Apple Arcadeに登場する新バージョンは、特にVision Proの空間体験を最大限に活かすために調整が施されている。

この革新により、VR・AR体験が都市シミュレーションにもたらす未来像を示し、視覚的な広がりを持つ「次世代の街づくり」として新たな方向性を提供しているといえよう。

タワーディフェンスと戦略要素の融合「Gears & Goo」

Resolution Gamesによる「Gears & Goo」は、リソース管理や戦略的意思決定が求められるタワーディフェンスゲームで、Vision Proの空間コンピューティングを活かしたインタラクティブな戦闘シミュレーションが特徴だ。プレイヤーは労働者を使って資源を集め、タワーに配置して防衛を強化しながら、呪文の使用や軍隊の送り出しといった要素で敵を撃退していく。

このシステムは、単に戦うだけでなく、どのユニットをどのタイミングで使うかという緻密な計画性が試される。

Gears & Gooは、既にApple向けにリリースされた「Demeo」や「Game Room」に続く3作目として、Apple Arcadeで2025年1月9日に配信予定だ。

プレイヤーはタワーの配置や構造物の順序、攻撃ユニットの選定などの重要な意思決定を求められ、空間内での没入感を持って操作することで、リアルな戦略性と反射的なスリルを同時に味わえる。このように、Resolution Gamesの積み上げたノウハウが詰まった本作は、Appleの空間コンピューティングプラットフォームにおけるゲームプレイの可能性をさらに広げている。

Appleの空間コンピューティングがもたらす新しいゲームの形

Apple Vision Proは、その空間コンピューティング技術によって、従来のゲーム体験を大きく変える可能性を秘めている。Apple Arcadeに登場する「Little Cities: Diorama」や「Gears & Goo」は、単なるVRゲームではなく、ARとVRが融合したミックスドリアリティ体験を提供するもので、Apple Vision Proの強力なハードウェアとソフトウェアの統合によって実現されている。

これにより、ゲームは単なる画面上の操作に留まらず、現実と仮想空間の間でのインタラクティブな体験が可能となる。

特に、視覚的な美しさやジェスチャーの応答性は、他のVR機器では味わえない新しい次元をもたらしている。Appleのこの新しい技術は、エンターテイメント領域に新しい風を吹き込み、未来のインターフェースとして他のデバイスにも応用される可能性がある。Apple Vision Proが市場に投入されることで、ミックスドリアリティが今後どのように進化していくのか、業界全体に注目が集まっている。