macOS Sequoiaでは、デフォルト設定でSafariやSpotlightの検索クエリがAppleに送信され、検索結果の精度向上に役立てられています。Appleは、これらのデータが個人を特定しない形で処理されると説明していますが、プライバシーを重視するユーザーの中には、この情報共有を望まない方もいらっしゃるかもしれません。この記事では、macOS Sequoiaにおける検索データの共有を無効にする手順をご紹介します。
SafariとSpotlightのデータ共有がプライバシーに与える影響

macOS Sequoiaでは、SafariやSpotlightの検索クエリがAppleに送信される仕様となっています。このデータ共有は、検索結果の精度向上やパーソナライズ機能の向上を目的としていますが、プライバシーを重視するユーザーにとっては気になる点かもしれません。Appleはデータが個人を特定しない形で処理されると説明していますが、完全に匿名化されているわけではありません。
特にSafariでは、検索候補を表示するために入力途中のキーワードがリアルタイムで送信される仕様です。これにより、検索結果がより精度の高いものになりますが、ユーザーの関心や閲覧傾向がAppleのサーバーに送られることになります。また、Spotlightも同様に、検索時に関連するデータをAppleと共有し、より適切な候補を表示する仕組みを採用しています。
一方で、プライバシーを意識するユーザーにとっては、この仕組みが懸念材料となることがあります。たとえば、機密情報を含む検索を行った場合、それがAppleのサーバーに一時的に送信されることになります。Appleはデータの保持期間や匿名化の仕組みを明示していますが、完全に情報が外部に出ない環境を望むユーザーにとっては、設定変更を検討する余地があるでしょう。
検索データの送信を無効にする具体的な手順と設定の影響
macOS Sequoiaでは、検索データの送信を無効にする設定が複数用意されています。SpotlightやSafariの検索共有を停止するには、システム設定の「プライバシーとセキュリティ」メニューを開き、「Spotlight」や「Safari」の該当オプションをオフにする必要があります。具体的には、以下の手順で変更可能です。
- システム設定を開く
- 左側のメニューから「Spotlight」を選択
- 「Appleが検索を改善するのを手伝う」のスイッチをオフにする
- 「Safari」設定内の「検索候補をAppleと共有」のスイッチをオフにする
これらの設定を無効にすると、検索データがAppleのサーバーに送信されなくなります。ただし、その影響として検索結果の精度が若干低下する可能性があります。たとえば、Spotlightの検索ではローカルデータのみを参照するため、ウェブ情報を含む候補の表示が制限されます。また、Safariの検索候補機能も一部の予測候補が表示されなくなり、利便性が低下する可能性があります。
ただし、こうした機能制限がある一方で、プライバシーをより強化できるという利点があります。Appleはセキュリティ対策に力を入れているものの、インターネット上にデータが送信されること自体を避けたい場合は、これらの設定変更を検討する価値があるでしょう。
Appleのプライバシーポリシーとユーザーができる追加対策
Appleは、検索データの取り扱いに関して明確なプライバシーポリシーを定めています。公式の説明では、検索データは個人情報とは紐づけられず、ユーザー識別ができない形で処理されるとされています。さらに、ランダムな識別子を用いることで、データが一定期間後にリセットされる仕組みも採用されています。
しかしながら、完全にデータの送信を防ぐためには、さらに追加の対策を行うことも可能です。たとえば、VPNを利用することでインターネット通信の暗号化を強化し、Appleのサーバーへのデータ送信をより匿名化することができます。また、ブラウザの検索エンジン設定を変更し、DuckDuckGoやStartpageのようなプライバシー重視の検索エンジンを利用することも有効です。
加えて、macOSの「分析と改善」設定を見直すことで、検索データ以外の情報共有も最小限に抑えることができます。これには、「Siriと音声入力の改善」や「iCloud分析を共有」などの設定が含まれます。こうしたオプションをオフにすることで、Appleのサーバーに送信されるデータ量を大幅に減らすことができます。
最終的に、利便性とプライバシーのバランスをどこで取るかはユーザーの選択次第です。検索機能の精度を優先するか、個人情報の保護を重視するかを考えながら、最適な設定を選択するとよいでしょう。
Source:AppleInsider