Appleのエントリーレベルタブレット「iPad」は、学生やカジュアルユーザーにとって手頃な選択肢として人気を集めています。第10世代ではUSB-Cへの移行や新デザインの採用が話題となりましたが、第11世代ではさらなる進化が期待されています。
注目されるのは、新しいチップの搭載やディスプレイの改良です。特に、A15またはA16 Bionicの採用によるパフォーマンス向上、より視認性の高いラミネートディスプレイの導入などが予想されます。加えて、Apple Pencil(第2世代)対応や新色の追加、スピーカー配置の最適化も噂されています。
価格は従来の449ドル前後を維持する可能性が高く、発売時期は例年通り秋頃が有力です。第11世代iPadは、手頃な価格で最新の機能を備えたモデルとして、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となるでしょう。
大きく進化する可能性があるディスプレイ技術とは?

iPad第11世代では、ディスプレイ技術の改良が注目されています。従来のエントリーモデルでは、コストを抑えるために非ラミネートディスプレイが採用されていましたが、新モデルでは改善が期待されています。非ラミネートディスプレイは、画面とガラスの間に隙間があり、反射が強くなることで視認性が低下することが指摘されていました。
特に屋外での使用時に光の映り込みが発生しやすく、Apple Pencil使用時にはペン先と画面にわずかな距離が生じるため、書き心地にも影響を与えていました。
もし第11世代でラミネートディスプレイが採用されれば、これらの問題が解消され、視認性やタッチ精度が向上するでしょう。また、上位モデルで採用されているProMotion(120Hzのリフレッシュレート)への対応も期待されていますが、コスト面を考慮すると見送られる可能性もあります。
ProMotionは、スクロールやアニメーションの滑らかさを大きく向上させる技術であり、特に動画編集やゲーム用途での体験を向上させます。しかし、エントリーモデルの位置付けを考えると、より基本的なディスプレイ改良に留まる可能性が高いでしょう。
さらに、カラー再現の向上や、ブルーライトカット技術の強化などの細かなアップグレードも考えられます。特に、長時間の学習や作業にiPadを使用する人にとって、目の疲れを軽減する技術が導入されれば、より快適に使用できるようになるでしょう。
パフォーマンス向上はどこまで実現されるのか?
iPad第11世代で最も確実視されているのは、新しいプロセッサの搭載です。現行の第10世代はA14 Bionicを搭載していますが、次世代モデルではA15 BionicまたはA16 Bionicへのアップグレードが有力視されています。
A15 Bionicは、iPhone 13やiPad mini 6に搭載されているチップで、省電力性能が向上しつつも、CPUとGPUの処理能力をバランスよく高めています。一方、A16 BionicはiPhone 14 Proに採用されており、さらに高性能な処理が可能です。
新しいチップが搭載されることで、iPadOSの動作がよりスムーズになり、特にマルチタスク機能の快適さが向上すると考えられます。例えば、スプリットビューやステージマネージャーのような複数アプリを同時に操作する機能が、よりスムーズに動作するでしょう。
また、ゲームやARアプリのパフォーマンス向上も期待されます。近年のiPadは教育用途だけでなく、クリエイティブな作業やゲームプレイにも活用されており、特にApple Arcadeのゲームを快適に動作させるためにも、プロセッサの進化は重要なポイントとなります。
ただし、A16 Bionicの採用はコストの関係で見送られる可能性もあり、A15 Bionicが搭載されるケースが最も現実的でしょう。もしA16 Bionicが採用されれば、iPad AirやiPad Proとの差別化が難しくなるため、Appleがどのような選択をするのか注目されます。
アクセサリーとの互換性はどこまで広がるのか?
第11世代iPadでは、USB-Cの継続採用が確実視されており、これによってアクセサリーの互換性がさらに向上すると期待されています。第10世代でLightningからUSB-Cへ移行したことで、汎用的な充電器やストレージデバイスが利用しやすくなりました。第11世代でもこの方針が継続されることで、より幅広い周辺機器とスムーズに接続できるようになるでしょう。
特に注目されるのは、Apple Pencilの互換性です。第10世代では、第1世代のApple Pencilに対応していたものの、USB-C接続のアダプターを必要とする仕様となっており、利便性の面で課題がありました。
第11世代では、Apple Pencil(第2世代)への正式対応が期待されており、これが実現すれば、より快適な筆記やイラスト制作が可能になるでしょう。第2世代モデルは、磁気で本体に装着しながらワイヤレス充電できるため、充電の手間も軽減されます。
また、Magic KeyboardやSmart Keyboardの互換性も重要なポイントです。AppleはiPadをノートPCの代替としても活用できるように設計を進めており、新しいキーボードアクセサリーが登場する可能性もあります。特に、iPad ProやAirに対応するMagic Keyboardのエントリーモデル向けバージョンが登場すれば、学生やビジネスパーソンにとって魅力的な選択肢となるでしょう。
iPad第11世代が、より幅広いアクセサリーと連携できるようになれば、エントリーモデルながらも用途の幅が大きく広がります。シンプルなタブレットとしてだけでなく、学習ツールや軽量な作業デバイスとしての活用が進むかもしれません。
Source:AppleMagazine