Appleの次世代スマートスピーカー「HomePod 3」が2025年に登場すると噂されています。最大の注目点は、シリーズ初となるタッチスクリーンの搭載で、AmazonやGoogleのスマートディスプレイと競争する可能性が高いとされています。

発売時期については、Bloombergのマーク・ガーマン氏が2025年3月を予測した一方で、アナリストのミンチー・クオ氏はWWDC後の第3四半期になると指摘しており、情報は分かれています。また、ディスプレイのサイズは6〜7インチで、スマートホームのハブとしての役割が強化される見込みです。

さらに、HomePod 3にはFaceTimeカメラや存在検知センサーが搭載される可能性があり、スマートホーム管理がより直感的になると期待されています。Apple Intelligenceを活用したAI機能の強化にも関心が集まっており、正式発表が待たれます。

HomePod 3のタッチスクリーン搭載が意味する新たな可能性

HomePod 3の最大の変化は、従来のスピーカー型からディスプレイ搭載型へと進化する点です。このディスプレイは6~7インチと予想されており、Appleがスマートスピーカー市場を超え、スマートディスプレイの分野にも本格参入することを示唆しています。

AmazonのEcho ShowシリーズやGoogleのNest Hubと競合する製品になる可能性が高く、これまで音声操作が主流だったHomePodに、新たなインタラクション手段が加わることになります。

このディスプレイがどのような機能を持つのかはまだ明らかになっていませんが、Apple TVやiPadのようなユーザーインターフェースを備えることで、Appleのエコシステムとの統合がさらに進むと考えられます。例えば、HomeKit対応のスマートデバイスを一覧で表示し、直感的に操作できるコントロールセンターとしての役割を果たすかもしれません。

また、FaceTimeカメラの搭載が噂されていることから、家族間のコミュニケーションツールとしての活用も想定されます。

一方で、Appleがどこまでディスプレイの活用範囲を広げるのかも注目ポイントです。例えば、YouTubeやNetflixなどの動画再生に対応するかどうか、あるいはApple MusicやPodcastの視覚的なインターフェースが強化されるのかは、現時点では不透明です。しかし、スマートディスプレイとしての役割が強まることで、従来のHomePodとは異なる新たな使い方が生まれる可能性は高いでしょう。

スマートホームの中心となるか HomePod 3の役割の変化

HomePod 3の進化により、スマートホームの中核を担うデバイスとしての役割が強化されると考えられます。従来のHomePodは、Appleのスマートホームプラットフォーム「HomeKit」のハブとして機能していましたが、主にSiriによる音声操作に依存していました。しかし、ディスプレイの搭載により、より直感的な操作が可能になることが期待されています。

特に注目されるのが、スマートホームのルーチン管理機能の強化です。例えば、リビングの照明やエアコンの状態を視覚的に確認したり、カメラの映像をリアルタイムで表示したりすることで、音声だけでは難しかった細かい調整が可能になるでしょう。

また、プレゼンスセンサー(存在検知センサー)の搭載が噂されており、ユーザーの動きを検知して自動的にディスプレイをオンにするなど、よりスマートな連携が期待されます。

さらに、Appleが新たに開発している独自のWi-FiおよびBluetoothチップが採用される可能性もあり、従来よりも高速かつ安定した接続が実現するかもしれません。これにより、HomeKit対応デバイスとの通信がスムーズになり、スマートホーム全体の操作性が向上する可能性があります。

ただし、現在HomeKitに対応しているデバイスの種類は、AlexaやGoogle Assistantと比べてやや限定的であるため、Appleがどのようにエコシステムを拡張するかが今後のポイントになりそうです。

HomePod 3の進化はAppleのAI戦略にどう影響するのか

HomePod 3の開発が進められる中で、AppleのAI技術「Apple Intelligence」の統合も注目されています。現在のSiriは、AmazonのAlexaやGoogle Assistantと比較すると、柔軟な会話能力やサードパーティーアプリとの連携においてやや遅れをとっていると指摘されることが少なくありません。しかし、AppleがAI技術の強化を進めていることを考えると、HomePod 3がその最前線となる可能性は十分にあります。

例えば、HomePod 3がApple Intelligenceを活用することで、より高度な音声アシスタント機能が実装されるかもしれません。ユーザーの発話をより自然に理解し、複数のデバイスを連携させたスマートホームの自動化をスムーズに行えるようになることが期待されます。

例えば、「寝る前の準備をして」と指示すると、照明を消し、エアコンの温度を調整し、リラックスできる音楽を流すといった一連の動作を自動で実行できるかもしれません。

また、AIを活用した音楽推薦機能の進化も考えられます。Apple Musicのプレイリストをよりパーソナライズし、ユーザーの好みに応じた楽曲を自動選択する機能が向上すれば、音楽再生デバイスとしての魅力も増すでしょう。ただし、AppleがどこまでAI機能をHomePod 3に統合するのかは不明であり、どの機能が実際に搭載されるかは正式発表を待つ必要があります。

Appleは近年、AI分野での開発を加速させており、特にプライバシー保護を重視したAI技術の開発に力を入れています。HomePod 3にもその方針が反映される可能性があり、デバイス上で処理を完結させる「オンデバイスAI」の活用が進むかもしれません。これにより、ユーザーのデータをクラウドに送信することなく、プライバシーを保護しながら高度なAI機能を提供できる可能性があります。

今後、AppleがどのようにAI技術をHomePod 3に組み込むのかが、デバイスの価値を大きく左右するポイントとなるでしょう。

Source:Tom’s Guide