Appleの次世代プロセッサ「M5チップ」が、iPad Proよりも先にMacBook Proへ搭載される可能性があることが報じられています。これまでのMシリーズとは異なる順序での導入となるものの、劇的な性能向上は見込めないとされています。
M4チップはまずiPad Proに搭載されましたが、M5では再びMacが優先される流れになるようです。Bloombergのマーク・ガーマン氏によると、M5チップ搭載のMacBook Proは2025年秋に登場し、iPad Pro版は2026年前半に発表される見込みです。
ただし、M5チップ自体の性能向上は控えめで、15~25%程度のパフォーマンス向上やWi-Fi 7の導入が期待される程度となる可能性が高いです。大幅な変化を求めるなら、M6チップ搭載の2026年モデルまで待つのが良い選択かもしれません。
M5チップ搭載MacBook Proの投入がiPad Proより先になる理由

AppleがM5チップをMacBook Proに先行搭載する背景には、製品戦略の変更が関係している可能性があります。従来、Mシリーズの最新チップはiPad Proが最初に採用するケースがありました。しかし、M5チップではMacBook Proが優先される流れとなるようです。この決定には、MacBook ProとiPad Proの市場での立ち位置の違いが影響していると考えられます。
MacBook Proは、プロ向けの作業環境として使用されることが多く、新しいチップによるパフォーマンス向上がユーザーの作業効率に直結します。一方で、iPad Proはポータブルデバイスとしての利便性が重視され、Macほど処理性能の向上が求められない場面も多いです。そのため、Appleが最先端のチップをまずMacに投入し、よりパワフルな用途向けのユーザーにアピールしようとしている可能性があります。
また、MacBook Proは例年秋に新モデルが発表されることが多く、M5チップのリリースタイミングと合致します。対して、iPad Proは約18カ月ごとのアップデートが一般的であり、次回の刷新が2026年前半になると考えれば、Macの先行投入は自然な流れといえそうです。AppleがM5チップ搭載の新モデルをどう位置付けるかは、今後の情報に注目が集まります。
M5チップの性能向上が控えめな理由とは
M5チップの性能向上が15~25%程度と見込まれている理由には、半導体技術の進化のペースとAppleの開発戦略が関係している可能性があります。M1チップが登場した際は、従来のIntel製チップと比較して大幅なパフォーマンス向上を実現しました。しかし、その後のMシリーズでは、M2、M3、M4と世代が進むごとに性能の伸び幅は縮小している傾向があります。
これは、プロセッサの製造技術が成熟し、世代ごとの改良が段階的なものになってきているためです。特に、M4チップがすでに省電力性能とAI処理能力の向上を果たしているため、M5チップでは従来のような飛躍的な進化を期待するのは難しいかもしれません。
また、Appleは2026年に登場するM6チップで、2nmプロセスを採用すると予測されています。これにより、M5チップはあくまでM4の延長線上にある小規模なアップデートにとどまる可能性が高いです。M6チップでは、大幅なデザイン変更や消費電力の改善が期待されているため、AppleとしてはM5チップを段階的な進化の一環として位置付けていると考えられます。
M5チップ搭載MacBook Proの購入を検討すべきか
M5チップ搭載のMacBook Proが登場するとして、現行モデルを使用している人は買い替えを検討すべきでしょうか? これは、現在の使用環境や求める性能によって判断が分かれる部分です。
まず、M1やM2チップを搭載したMacBook Proを使用している場合、M5チップへのアップグレードは一定のメリットがあるかもしれません。特に、処理性能の向上に加えてWi-Fi 7の対応が予想されているため、通信環境の高速化を重視する人には魅力的な選択肢となる可能性があります。また、M5チップがThunderbolt 5をサポートする場合、データ転送速度の向上も期待できそうです。
一方で、M3チップやM4チップ搭載のMacBook Proをすでに使用している場合、M5モデルへの移行は慎重に検討すべきです。M5チップの性能向上はそこまで大きなものではなく、現在のモデルでも十分なパフォーマンスを発揮できるためです。特に、M6チップが登場するとされる2026年には、より大きな進化が期待されるため、長期的な視点で買い替えを検討するのも一つの選択肢となるでしょう。
結局のところ、M5チップ搭載MacBook Proの魅力は「小幅な改良」にとどまる可能性が高いため、最新機種にこだわらず、自分の使用用途に合ったタイミングで買い替えることが最も賢明な選択といえそうです。
Source:TechRadar